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なぜ志らくは嫌われるのか:ロマン優光連載143【2019年9月6日記事の再掲載】

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70年代末からタイムスリップしてきた落語立川流以降の歴史を知らない、志らくさんが「談志の弟子」だという事実を知らない人が見たとしても「あいつ、談志になりたがってるんじゃ…」と思うのは間違いないくらいわかりやすい「談志になりたがりマン」なのが志らくさんなのです。あえて、独断と偏見に基づいた発言をしてみせるのも、変なとこで他人と違うことを言いたがるのも、なんか知らないけど偉そうなのも、立川談志という存在を意識しすぎた結果、「談志になりたい病」をこじらせてしまったからにちがいありません。

「こういう時に談志ならどうするのか」「談志ならこうするはず」みたいなことを朝も昼も夜も考え続け、「僕の考えた最強の談志」に近づこうと頑張っているうちに、人前に出る間は何時いかなる時も自然に談志っぽく振る舞うようになった志らくさん。しかし、どれだけ談志のように振る舞おうとも、悲しいかな、志らくさんは立川談志ではありません。談志とは業績も可愛さも違っていれば、時代も違う。談志なら、実績や人気、そして可愛いげゆえに許されていた態度が、志らくさんが似たことをしても「偉そう」で不快にしか思われない。

昔、談志が冤罪被害者に対して、本当はやってるという内容のことを放言して抗議されるということがありましたが、人権意識の低い時代だったから立川談志のキャリアは続いたわけですが、今そんなことを言ったあかつきにはN国入りするぐらいしか道がなくなるでしょう。それはともかく、今だったら炎上しやすいだろう立川談志を意識して振る舞っているのと、談志じゃないくせに談志みたいにしてるのがイラっとするから、志らくさんは炎上するんだと思います。

坂上さんが異常な人が良識人のように演技しているタイプの司会者だとすれば、志らくさんは普通の人が異常を目指してがんばるタイプの司会者になるのかもしれません。

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そういえば、昔(立川ボーイズがあったころ)、友人が「志らくはあんなにつまらないのに、自分のことを天才だとか言ってるから頭おかしい」と言い出して、さすがにそれはお前の方がおかしいぞと思ったことを思い出します。多分、志らくさんは頑張って天才を自称してみせたりしていたはずなのに、そんなことを言っては気の毒だと思いました。

まあ、坂上さんにしろ、志らくさんにしろ、特に具体的に何をしたとかないうちから人々の怒りを買ってしまう宮根さんには敵わないような気がします。やっぱり、自然体が一番ですね。

 

〈金曜連載〉
あのちゃんについて:ロマン優光連載145
地下アイドルの定義:ロマン優光連載258
中田敦彦について思ったこと:ロマン優光連載242

 

PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
twitter:@punkuboizz

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