昨年11月、衆議院議員米山隆一氏が論破王ひろゆき氏を論破したと話題になりました。過去にもひろゆき氏が無知を指摘されることはありましたが、動画でこうまで完敗したとみなされる事例は初めてだったからです。以後、SNSなどで米山氏は度々ひろゆき氏を“論破”していますが、そんな米山氏氏に、なぜ討論を引き受けたのか、討論にどう臨んだのか、なぜひろゆき氏を“論破”できたのか、ひろゆき氏の論破力の中身などを執筆していただきました。
ひろゆき氏との対談後与党議員にも声をかけられる
昨年の11月11日に収録し、11月19日に前編が、11月26日に後編が公開されたReHacQsでのひろゆき氏との対談は、大いに反響を呼び、Yahooニュースを始めとする複数のインターネットメディアで紹介され、YouTubeに切り抜き・解説動画が溢れました。あれ以来、議員会館/議員宿舎のエレベーターで、野党のみならず与党の先生と乗り合わせた時も、地元のイベントの来賓席で隣に座った自治体議員とお話しする時も、「ReHacQs見たよ。やるなぁ」と言われます。其ればかりか地元でスタンディングをしていても、東京で地下鉄に乗っていても、見知らぬ老若男女から「ReHacQs見ました! 応援しています!」と言って握手を求められるという、今までにない事態が続いています。
それは、あの動画自体がまあそこそこ面白いものであったこととともに、「ひろゆき現象」というものに対する世の中の関心の高さもまた原因だったと思いますので、それらについて解説したいと思います。
「ひろゆき現象」が生じている理由とは
まず「ひろゆき現象」「ひろゆきブーム」とは何でしょうか? 勿論この言葉が何か公式に定義されている訳ではないので私の勝手定義になりますが、起こっていることそのまま的には「ひろゆき氏が人気を博し、凄い人だと尊敬され、子供や青年がその真似をし、著作がベストセラーになってしまっている状況」ということだと思います。
ではこの「ひろゆき現象」が生じている理由は何でしょうか? 一応の参考的に「ひろゆき現象」「ひろゆきブーム」をGoogle検索してみれば、流石ブームというだけあって、「ひろゆきブーム徹底解剖(本人著)」とか「ひろゆきがここまで圧倒的支持を集める納得の訳」みたいな、もっともらしい解説がこれでもかと出てきます。
しかしその中身を読んでみると、「足し算ではなく引き算の価値観を提示している」とか「自分が思ったように話す」とか、はたまた「言論を音楽化している」とか取ってつけたような説明ばかりで、私なんぞは、「いやそんなこと本人言っていないだろう」とか、もしくは全く逆に「そんなことやっている人他にいっぱいいるだろう」と思ったりします。
とはいえ、人の意見にケチをつけてばかりいても仕方ないので、端的に自分の意見を言うと、私は「ひろゆき現象」が生じたのは、要するに「『偉そうな人(政治家や専門家)を馬鹿にするのは楽しい』という薄暗い欲求を具現化したから」だと思います。