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吉田豪インタビュー:電撃ネットワーク・ギュウゾウ&ダンナ小柳 故・南部虎弾伝説を語る

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小柳 逆に正規で事務所の依頼がくるよりも、南部ちゃんに直接くる仕事のほうが多かったですね、どこの事務所に移ってもそう。

――そりゃどの事務所ともギクシャクしますよね、それだけ派手に闇営業やってたら。

小柳 そうですね、一番長くいた事務所でもその揉めごとはけっこうありましたもん。 あと、南部ちゃんはグループ組んだときからやたら海外志向が強くて、日本よりも海外にっていうのがすごい強かったですね。ウチら一時期МTVのCМに出てたんで、サマソニに出たときにシンディ・ローパーも来てて、楽屋で南部ちゃんにわざわざシンディが「アイムシンディ」って挨拶に来たんですよ。そしたら南部ちゃん、シンディ・ローパーとわからずに、「誰この金髪のオバチャン!」「え、シンディ・ローパーだよ!」って、知らずに賄い食ってたっていう(笑)。

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ギュウゾウ 南部さんホントに知らなくて、「アイムナンブ、ノットバンブー」って言ったのよ。ダジャレかい! 南部さん、根っこはたぶんインテリだと思うのね。でもものをあんまり知らなくて。ラモーンズ、プリテンダーズ、TOKYO SHOCK BOYSの3マンやってるのよ。だけど知らないのよ。ドイツではリッチー・ブラックモアとやってるのよ。リッチー・ブラックモアがマネージャーと一緒に楽屋来て、俺たちは「うわ、リッチー・ブラックモアだ!!」ってなってるのに南部さんは知らないのよ。あと世代的に知っててよっていうのはルー・リード。ルー・リードも何回も遊びに来てくれたんだけど。

――え! ルー・リードが遊びに!?

ギュウゾウ そう、ニューヨークのとき。

――南部さんがプロディジーの髪型に影響を与えたっていうのは都市伝説なんですかね?

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ギュウゾウ あれは偶然だと思うんだけど、後に仲良くなってキースの結婚式出てるよ。しかし、南部さんは大病して入院して復活するたびに人間力が上がっていったよね。

小柳 南部ちゃんもあんな性格なんで、ふつうになんも食べずにいきなりインスリン打って低血糖で泡吹いて倒れたりはちょいちょいありました。ふつう飴玉1個とかご飯食べたあとに打つじゃないですか。いきなり朝起きて打って泡吹いて倒れたり。新幹線のなかで平気でインスリン打ったり、感覚が(笑)。

ギュウゾウ ぶっちゃけ、ライブのパフォーマンスとかは南部さんここ最近は休んでることが多かったから、南部さんいなくてもショーはできるの。だけどやっぱりグループの顔だから。ショーはできる、だけど求心力みたいな部分でどうなっていくのかは心配だね。

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小柳 近年は南部さんステージに上がっても半径1メートル以上動いたことない(笑)。ネタも「ハイ南部さん、次これです!」みたいな、若手が缶ビール渡したり小道具渡して、ほとんど立ってるだけぐらいの感じだったんですけど。でも、やっぱり看板なんで。

ギュウゾウ 南部さん、オーディションは常にやってる人だったから、いま残ってる今日元気くん、ランディー・ヲ様、リチャード・ジョーダンはすごくいい3人で。南部さんが育てたっていうと語弊あるかもしれないけど、最後はいいのが残ったなとは思ってるね。

 

取材・文/吉田豪
撮影/ごっしー
初出/ 『実話BUNKA超タブー』2024年5月号(※本記事掲載版は雑誌掲載版とは少々異なります)

TOKYO SHOCK BOYS(電撃ネットワーク)オフィシャルサイト
電撃ネットワークは日本のパフォーマンス集団。怪我をするほどに身体を張った芸で知られる。日本ではその過激さゆえ敬遠されがちだが、欧米諸国では「TOKYO SHOCK BOYS(トーキョー・ショック・ボーイズ)」の名で知られ、高い評価を得ている。

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