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スティーブ・アルビニ〜断章〜:ロマン優光連載290

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シカゴの独特で変なバンド群

Big Blackのもう一人のギターであるサンチャゴ・デュランゴの81年のNaked Raygunにおけるギタープレイは既にBig Blackの時と変わらないスタイルだ。アルビニがギターを手にするより早く、サンチャゴはああいったスタイルのギターを弾いていた。

The EffigiesBig Blackの二代目ベーシスト・デイブ・ライリーが在籍したSavage Beliefs、デイブも関わっているフリーキーなバンド・END RESULT、最初期の重要バンドの一つであるStrike UnderNaked RaygunSilver AbuseWay-OutsToothpasteといった、メンバーが被りまくっていてややこしい一連のバンドたち。シカゴのバンドは独特で変なバンドが多いのだが、Big Blackはその伝統の中から生まれてきたバンドだし、Naked Raygun周辺の楽曲的な音楽性は違うが音造りやプレイスタイルに共通点があるメンバーが被りまくっている界隈のバンドの一つだ。 

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アルビニ一人による自宅録音ユニットだったBBをバンドにすべく、自分がファンでライブを観に行ってたNaked RaygunのボーカリストであるJeff Pezzatiをベーシストとして勧誘したわけだが、自分がファンで観に行ってるバンドのメンバーを誘うのはなかなか度胸がいるような気がするのだが。「お願いします! どうしてもバンドがやりたいんです! 手伝ってくれませんか!」という感じだったのだろうか、それとも「ベースいないんで手伝ってくんない」みたいな軽いノリだったのだろうか。 

サンチャゴは勝手に入った。

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シカゴシーンのサウンドを形成したのはバンドだけではない。地元のバンドの音源を数多く録音したプロデューサー、録音エンジニのイアン・バージェスの存在も大きい。アルビニはレコーディングに関することを彼から学びとった。彼がいなければシカゴシーンのサウンドは成立しなかったし、アルビニがプロデューサー、エンジニアとして大成することはなかっただろう。

イアン・バージェスがイギリスのMega City Fourというバンドをプロデュースするという情報を知り、MC5からインスパイアされた名前から考えてもラウドでジャンクなバンドかと思ったら、全然違っていて驚いたという記憶。

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イアン・バージェスと並び、アルビニが尊敬していたプロデューサー、エンジニアといえばイギリスのSouthern StudiosJohn Loderだ。アルビニがBBのスタジオ音源で一番気に入っている『SONGS ABOUT FUCKING』のA面はJohn Loderがレコーディングした。

The Power Of Independent Trucking」はめちゃくちゃカッコいい曲だ。

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