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吉田豪が語る『シン・人間コク宝』あとがきインタビュー【前編】

シン・人間コク宝 インタビュー
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昔の不良と今のアウトロー

——続いて横浜銀蝿・翔さん。

これきっかけでいろんなことが動いたインタビューですね。亡くなった嵐さんは取材したことがあるけど翔さんは再結成後にグループとして取材しただけだったから、じっくり話を聞きつつ90年前後の翔さんのバラエティ能力の高さを絶賛したら、翔さんに謎のスイッチが入って、「Johnny(銀蝿のギタリストであり、銀蝿消滅後はキングレコードの偉い人)に頼んで番組作ってもらおうかなー。そしたら吉田さんもゲストで呼んで」とか言ってると思ったら、すぐに翔さんとテレビ神奈川でレギュラー番組をやることが決まって。Johnnyさんがボクの衣装を持ったり、Johnnyさんが収録のキュー出しをしたりするのが不思議でしょうがなかった(笑)。さらには当時旦那さんとゴタゴタしていた華原朋美がゲストで来て、その旦那の前で翔さんに「ヒゲ触っていいですか」「ハグしていいですか」ってウットリしちゃって(笑)。さらにはその取材の後、ボクは小室哲哉の取材で。トモちゃんと小室哲哉のはしごという惑星直列みたいな貴重な経験をすることになったのも忘れられないですね。

——銀蝿一家の嶋大輔さん。

嶋さんも面白かったね。事前にNG事項もあって、やりづらいのかなと思ったら、なんでも話してくれて。事務所をやめるきっかけとなる話は初めてちゃんとしたみたいだったけど、要はとあるバンドがなぜか事務所を占拠していて、嶋さんの荷物を勝手に出されて、嶋さんがカチンときたという。そのバンドはチェッカーズなんだけど。このインタビューでは名前を伏せてて、てっきりチェッカーズ側が触れてない歴史なのかと思ったら、藤井フミヤが『ロッキン・オン・ジャパン』の2万字インタビューで話してたからここでバラします! いろんな謎が解けるんだよね。あの時のユタカプロという事務所はもともとアイドルバンドを扱うバンド版ジャニーズ事務所みたいなのを目指していて、ベイ・シティ・ローラーズみたいなグループを作っていた。となると、チェッカーズが引っかかるに決まってるんだよね。ベイ・シティ・ローラーズみたいなチェック衣装で、不良だけど可愛いヴィジュアルのバンドで、ちょうど所属事務所と揉めている(笑)。うちが囲えー! みたいになったんだろうね。そこで事務所が揺らいだせいで銀蝿一家が崩壊に至ったんだろうなって思う。

——リアルアウトローD・Oさん。

アウトロー的なキャラクターを前面に出すとどれくらい大変なのかっていうことがよくわかるインタビュー。嶋さんもそれに近いよね。あの不良キャラで世間に出たせいで、ひたすらケンカを売られ続ける恐ろしい話(笑)。その現代版&ハードコア版がD・Oさんで。もっと早めにインタビューするはずだったのが、タイミング合わなくて次号にしようとしたら、その次号までの間に収監されちゃったんだよね。ようやく実現できて良かったです。

 

後編記事「吉田豪が語る『シン・人間コク宝』あとがきインタビュー【後編】」はこちら】

構成/編集部
写真/『シン・人間コク宝』(コアマガジン)
初出/『実話BUNKAタブー』2023年7月号

 

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