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「このバトル漫画がとんでもない」劇画狼のTOP3

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オオカミが「人間に媚びへつらい飼い慣らされた醜い生き物」と土佐犬を挑発すれば、土佐犬は「闘犬は闘うために生まれた戦闘のプロ。何の訓練を受けたわけでもなく自由気ままに生きている素人に負けるわけがない」と応える。自分たちの住処を奪った人間を激しく憎むオオカミと、人間の優しさに触れることで強くなってきた土佐犬、それぞれの相反する要素を譲ることなく意地をぶつけ合い、最終的にはお互いを認め合うことになる2人の戦いは、まさに「こういうのが読みたいんだよ!」の全部入り。全バトル漫画の中でも上位に入るベストバウトであることは間違いない。この試合以外にも、1回戦が終わった時点で必ず「推し」が1人はできるはずなので是非本編をお楽しみいただきたい。

はぐれアイドル地獄変』は、連載当初は「グラビアアイドルの主人公・海空が、AV出演強要など芸能界の闇に触れて窮地に陥るが、父から叩き込まれた沖縄空手で危機を脱する」といったようなセクシーコメディ作品だったが、6巻からいきなり「女子格闘家32人異種格闘トーナメント」がスタートする。参戦する選手も、ボクシングや空手のような王道の競技だけでなく、シラットやクラヴ・マガなどの軍隊格闘技や日本の逮捕術、ナイジェリアのダンべなど、他作品ではなかなかお目にかかれないものも登場。

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また、「2017年(連載当時)の総合格闘技ルールの中で、柔術家は柔術の技術だけで戦えるのか?」などといった思考実験もうまくハマっており、決勝まで予測不可能な展開が繰り広げられる。「逆転に次ぐ逆転」で勝負を引き延ばさず、「実力が拮抗しているからこその秒殺」が多いのもテンポよく楽しめる作品だ。

最後はやや反則気味だが、『ケンガンアシュラ』原作者のアマチュア時代の作品『求道の拳』。絵に慣れは必要だが「面白いトーナメントを描いて読者をびっくりさせてやろう」の現役なので興味があれば是非。

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文/劇画狼
画像/『真・異種格闘大戦』1巻(相原コージ/双葉社)
初出/『実話BUNKA超タブー』2024年11月号

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