八潮市名産のひとつは、小松菜。マスコットキャラクターは小松菜をモチーフにした「ハッピーこまちゃん」である。よろしくね♪知らんがな!
もうひとつは枝豆。5月の枝豆ヌーヴォー解禁時には「やしお枝豆まつり」が開催されている。いや、枝豆ヌーヴォーってなんだよ!ていうか小松菜と枝豆ってどこでも食えるヤツ!!
美味しいものがたくさんあった八戸を懐かしんでいた八郎のスマホに通知が来た。洪水注意報である。
「そういや台風が来ているんだった。外食している場合じゃないな。安心安全な我が家で過ごそう」
本当に安全か?
綾瀬川と中川に挟まれた水害リスクの高い街、八潮。
1958年の狩野川台風では流域の約30%が床上浸水の被害に遭っている。以降、12回の床上浸水被害があり、近いところでは25年の関東・東北豪雨で浸水被害があった。
八潮市全体で盛土が進み、全体的に高くなっているとはいえ、海抜1~2m程度。エリアによっては3mの浸水が予想されているので、3階建て以上の部屋に住むのが無難である。
八嶋家新築は木造2階建て。早く逃げて!
幸いにも台風による河川氾濫はなく、浸水被害を逃れた八郎。新築購入時にやたらと水面が近かったことを思い出し、土手に立って見てみると……。
「川の水面の高さがウチの2階くらいあるじゃん!」
「しかも古新田排水機場は手動! 誰かが排水しないと自宅は床上浸水!」
氾濫したら絶望だということに気づいた八郎。雨が降るたびにビクビクしながら過ごした夏も終わり、秋はあっという間に過ぎ、冬が来て落ち着いた頃、改めて八潮の地形を調べてみた。
かつては江戸の穀倉地帯だった八潮。八条用水や葛西用水などといった、川から田畑に水を引くための用水路が数多く存在している。夜道でここに落ちる自転車が多そうだ。