広陵高校としては野球部の存在で学校経営が成り立っているのだろうし、出場しないわけにはいかなかったのだろうが、より深い傷を広げる結果になってしまったし、その判断も野球至上主義ではない人間が世界にはいくらでもいることがわかってなかったからではないか。
被害者側がSNSで告発をしたり、警察に被害届を出すことを想定できなかったのも、「野球が好きで入ってきた人間が野球の邪魔をすることなどない」となんとなく思っていたからかもしれない。
別に世界は高校野球で回っているわけではない。そういうことが見えなくなっている大人が多いのではないかと思わせられる事態だった。
別に野球ばかりではない、例えばアイドルオタクだったら推しは最優先されるべきもので全面肯定してしまいがちだが、それが許されないことも世界では当然ある。
自分の世界では全てに優先されるようなものであっても、それよりも大切とされるものが世間には存在するということを人は忘れがちであり、そこは忘れないようにしないといけないと改めて思った。
〈金曜連載〉
画像/2007年第89回全国高等学校野球選手権大会・開会式入場行進の広陵ナイン
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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
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