――急に支持率が上がってきた要因は何でしょう。
黒猫 都議選前、国民民主党が山尾志桜里氏や反ワクチンの須藤元気氏を参院選で公認候補にすると発表したり、後から山尾氏の公認を取り消したり、玉木雄一郎代表が備蓄米を「家畜の餌」と発言したり、「やらかし」が続いて、保守方面の注目が参政党に移っていったように見えましたね。さらに、選択的夫婦別姓に反対する吉川りな議員の国会質問の動画がバズりました。その頃から、YouTubeやTikTokで参政党の広告の表示頻度がやけに上がるように。アルゴリズムだけが理由ではなく、参政党が広告に力を入れていたのではないかと思います。都議選直前には尼崎市議選でトップ当選するなどして勢いが目に見えてきて、都議選でも4候補中3人が当選。最後の決定的なブーストになったのは、参院選直前での梅村みずほ氏の加入です。その時点での国会の議席数が5となり、党首討論に参加できるようになったことでメディアでの露出が一気に増えました。彼らは梅村氏のことを「ドラゴンボールの最後の1個が揃った」と表現しています。
――ドラゴンボールは7個ですけどね。

「ドラゴンボールの最後の1個」こと元日本維新の会の梅村みずほ参院議員。

フェミニスト北原みのり氏に「身体を鍛えた胸板の厚い男」と評される神谷宗幣代表。
黒猫 ともかく、戦略ではなく運ではあると思いますが、こうした諸々のタイミングがピッタリ噛み合い、参院選での躍進につながったのでしょう。さらに言えば、それまで地方でしっかり支持を固めてきたことが、ここで活きたという面もあります。
――昨年末以降の「日本をなめるな」「これ以上、日本を壊すな」「日本人ファースト」といった、ナショナリズムを全面に打ち出したキャッチコピーの影響は?
黒猫 今年の春以降に諸々噛み合った時にそれも活きてきたということでしょう。もともと「反グローバリズム」という言葉でナショナリズム的なメッセージは発してきました。それを、端的なわかりやすいナショナリズムのイメージに乗せて強調しだしたのが昨年からですね。
支持者イコールネトウヨか否か
――参政党の支持者は、どういう人たち?