「今回、首脳会談の最大の危機はトランプ大統領が自衛隊派遣を言ってくることだった。日本は、安保関連法や自衛隊法など法律上今回の戦争で派遣するという解釈は無理だった。それでも言ってくるかもしれないのがトランプ氏。拒否したら機嫌を損ねる。一方そもそも日本では世論調査でもイラン攻撃には批判が多い。自衛隊派遣などがテーマになって高市首相が軽々しく答えるような場面になったら国内でも大論争になり、高市政権の支持率も下がってしまうなど政権が大きく揺らぐことになる」(前出閣僚の一人)
そこで、高市首相、官邸側近、外務省、経済産業省などは、トランプ大統領があれこれ言い出さないために、「お土産と言ってもいいあらゆるカード」(前出外務省出身与党議員)を会談直前まで連日練りに練って準備したという。
最強カードはアラスカ原油投資
このうち最も大きな「お土産」がアラスカ原油への投資だ。
日本の投資によってアラスカの原油産出量を倍増させたうえで、日本が購入して太平洋航路で日本に原油を運搬・備蓄するものというものである。
これをカードとした背景について、茂木敏充外務相はこう話した。
「11月に中間選挙を控えるトランプ大統領にとって、米国内のエネルギー価格は選挙結果に大きく影響する重要事項のため、市場を落ち着かせるための提案だった」
また、官邸側近も「この案は中東ばかり頼らず原油の確保先を広げるという筋の通ったプラン」と話した。
ところが、このプロジェクトには多くの問題点がある。具体的内容はまだ明らかになっていないのだ。投資額の議論などはこれからとしており、立て付けは日米関税交渉合意に基づく5500億ドル、日本円で約87兆円の対米投資の一環と政府は説明しているが、具体的には明らかになっていない。
多くの経済アナリストが問題ありと指摘するのはそこだ。
