325回 東国原英夫と立花孝志〜竹内英明氏に関する虚偽の情報〜
先日亡くなった元兵庫県議県議・竹内英明氏に関する虚偽の情報が出回っていた件だが、本当に色々ひどい話だと思う。この原稿を自分が書いているのは1月21日19時前後であり、そこまでの流れについてのものである。
1月19日、斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ疑惑などに関する元県民局長告発文書に関して内容の事実関係の把握と告発文が公益通報にあたるのかを検証するために設けられた百条委員会の委員だった元兵庫県議・竹内英明氏が自宅で亡くなっていたことが報道された。
竹内氏は昨年11月の兵庫県知事選後に県議を辞職。SNS上で誹謗中傷を受けたことが原因であり、また選挙中は直接メールや罵倒する電話が押し寄せ、深夜まで続いたという。その誹謗中傷が始まるきっかけとなったのが、県知事選に自身の当選は目指さずに斉藤氏を応援するとの名目で立候補した立花孝志氏による「斉藤氏の疑惑は嘘であり、はめられた」という主張であった。
これにより、竹内氏はSNS上で一部の斎藤支持者から「嘘をついて斉藤氏を陥れようとした悪人」とされ、誹謗中傷に苦しむことになった(竹内氏は姫路ゆかたまつりと斉藤氏についてブログや委員会、AERA dot.の取材で触れているが、ネット上でデマと言われているのは竹内氏が取材をうけた記事中の別の人物による発言部分であり、竹内氏の発言ではない)。また、立花氏はSNSで虚偽の内容を投稿され名誉を毀損されたとして、同じく誹謗中傷のターゲットになった百条委員会の委員長を務める奥谷謙一県議から警察に刑事告訴されている。
その立花孝志氏だが、竹内氏の死について1月19日にとんでもないことをネット上で発言する。
要約すると「竹内氏は生前たびたび警察の取り調べを受けており、逮捕寸前だった。それを恐れての自殺である」というものだ。それがSNSなどで広く拡散されることになり、個人・遺族の名誉は傷つけられた。
この発言に対して兵庫県警は異例の行動に出る。
1月19日のうちに産経新聞、朝日新聞、読売新聞に対し、立花氏の発言は事実でないことを裏付けるコメントを発表。
1月20日には兵庫県警の村井紀之本部長が「個別案件の捜査についての言及は通常は差し控えているが、事案の特殊性に鑑み答弁する」と前置きしたうえで、
「竹内元議員につきましては、被疑者として任意の調べをしたこともありませんし、ましてや逮捕するといったようなお話は全くございません。全くの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNSで拡散されていることにつきましては極めて遺憾であるというふうに受け止めております」
と県議会の警察常任委員会で発言するにいたった。立花氏の発言が全くの虚偽であり、そのことを重大な問題であると県警が考えた結果、このような異例のコメントが出されることになったのである。
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