270回 謎のアンミカ・バッシング
ここ最近、タレントのアンミカ氏が密入国者であるというバカバカしい噂が、X(旧Twitter)を中心に出回っていた。
2017年から存在しているこのデマに対しては、騒動が始まる以前の11月21日にアンミカさん本人からThreads内で否定されているし、既に多くの人が密入国はあり得ないだろうと考察しているため詳しくは触れない。しかしアンミカ氏が日本に移住してきた年代に、韓国から日本にわざわざ密入国という手段で移動してくる理由なんて常識的に考えれば存在しないだろう。
この騒動の発端の流れを少し整理してみよう。
日清食品グループが製造・販売する『どん兵衛』シリーズのなかの『最強どん兵衛』。そのWebCMにアンミカ氏が起用されたことで、氏をバッシングして『どん兵衛』の不買運動をよびかける活動(実際の不買がどれだけ行われているかはわからない)がはじまった。そこで流布されていたのがアンミカ密入国説だ。そして、この件には様々な問題が複合的に絡み合いながら内包されており、色々な側面で語ることができる案件である。
アンミカ氏が過去にテレビ番組内で、杉田水脈衆議院議員が雑誌『新潮45』の18年8月号に寄稿した 「『LGBT』支援の度が過ぎる」という記事(この記事は当時、LGBTに対する差別的な内容であると大きな批判を浴び、『新潮45』が廃刊になるきっかけになった)の内容を批判したことに対する反発が今回の騒動のもとになっており、アンミカ氏が韓国籍であるということも手伝い、一般的にネトウヨと呼ばれるような層からのバッシングが『最強どん兵衛』のCM起用のタイミングで始まったというのが大筋だ。根底には差別発言擁護とレイシズムがある。
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