PROFILE:
ぐんぴぃ
1990年3月31日生まれ、福岡県出身。青山学院大学卒業。2017年、土岡哲朗と「春とヒコーキ」を結成。2019年にABEMA NEWSの街頭インタビューで「(自身の性体験について)バキバキ童貞です」と発言。YouTubeチャンネル「バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】」は117万人登録(2023年11月時点)。
■X:@Mugen3solider
■YouTube:バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】
ブレイク後の内なる葛藤とは?
——初めまして!
ぐんぴぃ いや、今日は光栄ですよ! 僕はホントに吉田豪さんの本をめっちゃ読んでまして。『聞き出す力』のシリーズとか。僕のYouTubeでインターネットでバズッた人を呼び出して話す企画をしてるんですけど、チャリで来たの人とか、おでんツンツンした人と話すとき、なんとなく「俺が吉田豪だったらどうするだろう?」と思ってやってましたね、そうやると意外としゃべってくれて。おでんツンツン男に関してはかなり色んなことを話してくれて。「病院で生卵を投げたことがあって」とか。だからホントにうれしいです。
——過去のnoteを掘るとそういう文化が好きな片鱗は感じるんですよ。町山智浩さんのツイートをスクショでイジッてたり(笑)。
ぐんぴぃ そうですそうです(笑)。そんなところまで見てもらってますか、下調べの吉田豪! 自分がされたらどうなるんだろうと思ってたんですけど、やっぱすごいなあ。
——話を戻します! ぐんぴぃさんは、いまお笑いの世界でもこれまでに前例のない、稀な成功の仕方をしつつあるじゃないですか。
ぐんぴぃ たしかに変な出方かもしれない。
——その複雑な感情が興味深いんですよね。ABEMA NEWSの街頭インタビューで「バキバキ童貞です」と答えたのがバズッていまこうなってるわけですけど、不思議とこの状況に満足してる感じが伝わらないというか。
ぐんぴぃ もちろん満足してないですよ。いわゆるお笑い芸人になりたくて、ネタをやっておもしろくて賞レースを獲って売れていくことにあこがれてきたんで。春とヒコーキというコンビ名もシティ派コントやりそうなオシャレな名前で、そっちでいくんだっていう気持ちもあったんですけど、いまはシティ派みたいなコントやったところでキモいキャラクターが塗りつぶせないというか。YouTubeを観てくれるお客さんがお笑いのイベントに来ても騒然としてるし。だんだん本寸法じゃなくなってきているなっていうコンプレックスみたいなのはあるかもしれないです。
——そもそも街頭インタビューで話題になったこと自体、嫌だったわけじゃないですか。そこでYouTubeでバキ童チャンネルを始めたのもマネージャーさんのアドバイスで。
ぐんぴぃ そうなんですよ。だから、やりたいことはやれてないかもしれないですね。
——YouTubeチャンネルをやめたい、飽きてきた的な話も初期の頃にはありましたね。
ぐんぴぃ そうですね、最初の頃はスタッフにらみつけたりとか、インタビュアーの人にちょっと嫌がらせでやってるみたいな、僕に童貞みたいなことで関わった人は不幸になればいいのにと思ってた時期はありますね。
——イジられたくない部分が拾われてビジネスになり、ある段階でそれを受け入れたけど、完全に受け入れきってはいないというか。
ぐんぴぃ もちろんそうです。ただ、つらいけど楽しいことのほうが多いなというか。しみけんさんに最初に会ったとき、会えてうれしいというか、いつも観てる人じゃないですか。そういうのがだんだん増えていって、セクシー女優の人と会う回数が増えてきたり。
——アイドルとも会えたり。
ぐんぴぃ アイドルにも会えた、アイドルも知ってくれてる! 童貞はつらいけどいいことも多い! って、なんとかそれでいままで気持ちをつないできてる感じで楽しむしかないと思ってます。ホントにやりたかったことではないからこそ俯瞰で見られるというか。