人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。漫画『セクシー田中さん』作者が亡くなった脚本問題。いまだ当事者である日本テレビは納得のいく説明をしていない。漫画『テコンダー朴』原作者でもある白先生にとってもこの問題は他人事ではない。
第15回:『セクシー田中さん』蹂躙した■本テレビは謝罪しろ!
日本テレビのドラマ『セクシー田中さん』の脚本をめぐる「原作改変」トラブルは、原作者の漫画家が亡くなるという最悪の結末となった。謹んでご冥福をお祈りしたい。
原作者は亡くなる数日前の1月26日に自身のブログとSNSで、ドラマ制作側とトラブルがあったことを明かしていた。「漫画に忠実に」制作することを条件にドラマ化を認めたが、実際に上がってきた脚本は原作から大きく改変された内容で条件が守られていなかったため、ラスト2話(第9話と第10話)の脚本を自ら執筆せざるを得なかったと説明した。
それがメディアで報じられて大きな騒ぎとなり、SNSなどで日本テレビや制作関係者への批判が巻き起こった。原作者は28日にブログとSNSの投稿を削除。「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」とSNSで最後の投稿を行った。そして翌29日、帰らぬ人となった。
脚本のトラブルの心労に加えて、自身の発信がきっかけで制作関係者への批判が始まったことに責任を感じてしまい、精神的ストレスが限界を超えてしまったのかもしれない。原作者個人が発信するのではなく、編集部か出版社の名前で発信するべきだったと思う。そうしていれば最悪の事態は避けられたかもしれず、本当に残念でならない。