PR
PR

電車はヤバい輩が集う悪夢の空間

社会
社会グルメ&ライフ
PR
PR

さらにそれを真似して11月8日に九州新幹線の車内で床に火を点ける事件も発生している。この男も死にたかったらしいのだが、頼むから誰にも迷惑がかからないところで死んでくれと胸ぐらを掴んで言いたくなる。

この3人に共通するのは誰でもいいから他人を巻き込みたいという気持ち。それを確実に果たせるのは、街ではなく電車内ということなのだろう。冒頭の容疑者は語っている。

「小田急線の事件を知り、逃げ場のない電車の中の方が確実に殺せると思った」

特急、快速、新幹線など、駅を複数飛ばし、長時間ドアが開かない密室となる車両はたくさんある。他人を巻き込む犯罪を行う者としては格好の空間だ。言ってしまえば人を殺したい狂人に絶好の狩り場を提供しているようなもの。そうならないためには万全のセキュリティを施さなくてはならないはずが、中国みたいに手荷物検査をやるわけでもなく、防犯カメラを付ける車両もようやく増えてきたといった状況だ。

しかも防犯カメラを付けた最たる理由が痴漢の抑止という悲しき日本の現実。

レイプが起きても無視する乗客

2015年に警視庁が発表したデータによると、都内で発生した迷惑防止条例違反(痴漢)の件数は約1900件。そのうち約54%が電車の中で起きてしまっている。

この電車内痴漢対策として09年に埼京線1号車に防犯カメラを取り付けたところ、痴漢が半減したとの報道がなされたのだが、本当だろうか。都内で通勤時の満員電車に乗ったことがある方ならわかるだろう。立っている乗客全員が完全に密着した状態。下のほうで悪さをしていても上方にある防犯カメラからは何も映らないだろう。逆にカメラが全体を捉えられるような空いている車両で痴漢は起きない。効果の程は甚だ疑問だ。

よくよく考えてみると、見ず知らずの他人が密室ですき間なく密着状態にいるのだから、正気を保てというほうが無理だ。ドア脇で頑なに止まる客にイライラ。

リュックを前に抱えない客にイライラ。イヤホンからの音漏れにイライラ。傘の水滴が服に垂れてイライラ。

ベビーカーにイライラ。足を踏まれてイライラ。肩がちょっと触れただけでイライラ、イライラ……が爆発して口論になったり、ケンカになったりしても、仕方ない状況。

16年に日本法規情報株式会社がインターネット上で行ったアンケートによると、27%の人が電車トラブルに巻き込まれたことがあるという。読者の中にも実際に巻き込まれたことがあったり、トラブルを目撃したことがある人も少なからずいるだろう。

パナソニック保険サービスが19年に行ったアンケートによると、電車でトラブルを目撃した場合、「当事者や加害者に注意などの対応をする」という人が4%未満なのに対して「特に何もしない、無視する」という人が4倍の16・5%もいた。見方を変えれば6人に1人しか無視をしないとも言えるが、現実を目の当たりにしたら、もっと多くの人が「我関せず」を決め込むはずだ。

タイトルとURLをコピーしました