不祥事を起こした企業側が井ノ原氏と同様の発言をしたら?
元V6井ノ原快彦氏の評価が高まっています。10月2日に行われた旧ジャニーズ事務所の記者会見にて、東京新聞の望月衣塑子記者などが暴走するなか、「落ち着きましょう。これは全国放送されていて、子どもたちも見ています。ルールを守る大人の姿を見せましょう」と冷静に報道陣に呼びかけたのです。ネット民は基本望月記者を嫌いということもあり、ネット上では井ノ原氏に拍手喝采、会場でも報道陣から拍手が湧き上がるなど、ジャニーズ屈指に好感度が高い井ノ原氏の面目躍如となりました。
とはいえ、それで好感度が上がるというのも、よくよく考えるとおかしな話です。
この会見は何かおめでたい会見ではありません。旧ジャニーズ事務所において長期間続けられてきた、芸能史に残る陰惨な性虐待事件に関しての会見です。そんな会見において、会見している側が「落ち着きましょう」とか「ルールを守りましょう」と諌めたことが評価されるって、なぜこの会見が行われているのかという諸々の前提が抜け落ちているのではないでしょうか。
ジャニーズ側が会見に際してルールを設けるのは自由ですが、そんなルールに対して、「ルールなんだから守らなきゃいかん」「ルールを守れない左翼はクズ」「ルールを守れとピシャリと言ったイノッチは素晴らしい」とかなっているのはどうにも解せません。
これを言っているのが、タレントとして好感度の塊である井ノ原氏なので、ちょっと麻痺してしまいますが、例えば昨年4月に発生した知床遊覧船沈没事故の会見を思い出してください。遊覧船の運行において、安全性をおろそかにした結果多くの命が失われた悲惨な事故でした。この運営会社の会見で、もし社長が激昂する報道陣に対して「落ち着きましょう」「ルールを守りましょう」などと言おうものなら、全国民から袋叩きされるに違いありません。それなのに、今回の井ノ原氏の発言には拍手喝采。なぜでしょう。
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3つ理由があると思います。まず、井ノ原氏は前述したように高い好感度を持つタレントで、当然ながら、今まで会見をしたことがなくていきなり不祥事の会見に引きずり出されたような一般人よりも、遥かに自身を良く見せることに長けているためです。
2つ目には、1回目の会見でも2回目の会見でも、悪い意味で脚光を浴びた望月衣塑子記者を嫌いな人が多いことも挙げられます。とにかく望月記者を叩きたい人たちからすれば、ジャニーズ問題について全く関心がなかろうが、今回の件に喜び勇んで飛びついて、正義を振りかざしたい気持ちも分かります。