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いまだに続く「恒心教」の連鎖:ロマン優光連載254

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そういった悪ふざけからくる犯罪行為すら含まれる様々な動きの中から生まれたのが、弁護士を教祖とする「恒心教」というネタであり、それがこのムーブメント自体を指す言葉になったと考えればいいだろう。色々と設定もあるが、そんなものは知る必要もない。このなんJから生まれた迷惑行為のムーブメントが「恒心教」であり、このノリを支持している人間が「恒心教徒」であると大雑把に把握できていれば問題はない。こういうことをやるような人間が作った悪ふざけの細かい設定など本当に知る必要などないだろう。ノリを共有することで結び付いた曖昧な集団であり、何かの組織というわけではない。

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報道された爆破予告の文面を見ると、弁護士の口調とされる言葉(ネタであり本人が本当にそのように喋ってるわけではない)が記されていて、弁護士の名前を騙ってファクスを出していたのがうかがえる。

香山リカの考え

10年前に生まれたインターネットの悪質なムーブメントがまだ継続していたことに驚いた人も多いだろう。自分もそうだ。ただ「恒心教」という名前が報道で前面に出ない場合もあり、出ていても見逃してた場合もあっただけで、活動は継続していたようだ。

2020年には130件の爆破予告で「恒心教徒」の大学院生が逮捕されているし、 22年にも都営地下鉄などに爆破予告をしたなどとして21才の男が逮捕されている。ムーブメント発足当時に暴れていた世代だけではなく、若い世代にまで広がっているという事実を前に「教育の敗北」とか適当なことを言いたくなるような悲しみを感じる。まあ、今年の1月に弁護士への名誉毀損で逮捕された人事院職員の40才の女性(不起訴)もいたようだが、いい年をした国家公務員が「恒心教徒」をやっているのも、こちらが赤面してしまいそうな話ではある。8月13日に弁護士の名前を差出人にしたソウル市庁に対する爆破予告のメールが複数の韓国メディアに送られるという事件もあった。「恒心教徒」の仕業と思われるが、時期的に今回の逮捕者2名の犯行ではないと思われる。こういうことをする人間がまだ他にいるということになり、本当にげんなりする話だ。

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今回の件に関しては予告が発信元を匿名化するシステムであるTorを使って送信されており、容疑者の1人が6月に別の家宅侵入案件などで逮捕された際にパソコンやスマホが押収され、そこからTorの使用が判明、今回の逮捕に繋がったようだ。ようするに別件でパソコンが押収できたから判明しただけで、送信されたファクスの解析を元にTorを使用した投稿の本当の発信先を突き止められたという話ではない。Torの壁は厚そうである。

この住居侵入、コテハン某や弁護士以外にも、嫌がらせの対象になっている人物は複数おり、その一人に対する「恒心教」では「けんま」とよばれている行為、いわゆる凸行為として行われていたものだ。

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