Xに10万人フォロワーを持つ、もへもへ氏は、《しかし本当に一部ではあるがLGBTの関係者が「ペドフィリアは存在だけで罪でそういう趣味や性癖を持っているだけで異常者として差別するべき」とか言い出してるの、いままで二級市民として差別されていた人たちが完全な市民権を手に入れたとたんに「二級市民を差別する」という、恐ろしくみにくい行為をやっていることに気がつこう》と投稿した。
近代原則を武器に自分たちの身分を引き上げようと小児性愛者をパージしてきたLGBT活動家だったが、いまポストモダン(差異の政治)からの逆襲を受けている。筆者は政治家として、ペドフィリアを政策に落とし込むことは難しいと思っている。しかし、「そのように生まれ落ちてしまった」性的マイノリティの1人として、痛みに寄り添うことはできる。ただし、王谷氏を追い込んだようなキャンセルカルチャー的手法には絶対に反対だ。相手を潰しても、後には憎悪しか残らない。お互いを思いやる気持ちを忘れてはならない。それは王谷氏にもいえる。トランス差別を糾弾されたことからトランス擁護者へと変わり、トランスジェンダーの女性スペース問題では王谷氏自身がキャンセルカルチャーに加担していたのだから。
LGBT問題はまだまだ黎明期にある。上っ面のLGBTマニュアル本ばかりが本屋で幅を利かせているが、我々はどこからきてどこへ行こうとしているのかを知るための「LGBT版新しい歴史教科書」が必要だと感じている。
松浦大悟が語るLGBT運動の欺瞞
松浦大悟「同性婚に反対したら即差別主義者認定するのは大間違い」
橋本愛がLGBT活動家から批判を浴びて謝罪「トランス女性は女風呂や女子トイレを使わない」という活動家の嘘:松浦大悟
文/松浦大悟
初出/実話BUNKA超タブー2023年11月号
PROFILE:
松浦大悟(まつうら・だいご)
1969年生まれ。神戸学院大学卒業後、秋田放送にアナウンサーとして入社。秋田放送を退社後、2007年の参院選で初当選。一期務める。自殺問題、いじめ問題、性的マイノリティの人権問題、少年法改正、児童買春児童ポルノ禁止法、アニメ悪影響論への批判、表現の自由問題などに取り組んだ。ゲイであることをカミングアウトしている。著書に『LGBTの不都合な真実 活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か』(秀和システム)。