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松浦大悟寄稿、LGBT活動家が人権を訴えるほど当事者が生きづらいパラドックス

社会
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社会学者の宮台真司氏は『日本人のための大麻の教科書』において、大麻には「解放」としての意味だけでなく「統治」としての意味があると説明する。地域が空洞化し、人々が孤立化し、在宅死者の4人に1人が孤独死になった。不安を埋め合わせようとSNSは排外主義的な言動で溢れかえっている。そんな国民に暴発せず暮らしてもらうために、生きやすくなるツールとしてドラッグを国家が与える――。「社会の解放」ではなく、社会を解放しないための「個人の解放」というわけだ。

そしてそれは、自殺率が高いといわれているトランスジェンダーにも当てはまる。「人生は儚い。そんなに辛いなら、自由にしたらいい」との計らいは、もともと統治の視座からの「社会を解放しないための個人の解放」だった。だが、目論見は外れた。イギリスでは女子刑務所に入り込んだ身体男性のトランス女性がレイプを繰り返したり、国一番の規模を誇るタビストック・ジェンダークリニックで1000人以上の少年少女が誤診によって第二次性徴抑制剤を投与されてしまったりしたため、23年10月、ついにリシ・スナク首相がテレビカメラの前で演説する騒動になった。

《我々は「人間はなりたい性別になれる」と無理やり信じ込まされるべきではありません。そんなことはできないんです。男は男、女は女。それが常識なんです》

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性別二元制にとらわれるトランス活動家の主張

明治大学非常勤講師の三橋順子氏は、身体は男性で妻子もいるトランス女性だ。「くたばれGID」のキャッチフレーズのもと性同一性障害概念を攻撃するトランス活動家でもある。なぜ彼女は性同一性障害を嫌悪するのか? その理由が彼女の著書『女装と日本人』に書いてある。

《性同一性障害という考え方は、性別違和感をもつ人、生得的な性別とは違う性で生きたい人に対して、医学という学問的権威を背景に「性同一性障害」という病名をつけ(レッテル貼り)、精神疾患をもつ者として囲い込み(病理化)、「治療」という形で「正常化(nor-malize)」しようとする性格をもっています。その根底には、性別を越えて生きようとすることを社会悪とし、「変態性欲」と決めつけた19世紀以来の欧米の精神医学の基本思想がいまだに息づいています。「変態性欲」、「異常性欲」、「性的逸脱」、「性同一性障害」と名称こそ変えてきたものの、精神医学が、あいまいな性の存在を許さない性別二元制と異性愛絶対主義に立ち、性別を越えて生きるということに負の価値付けをしている点で、昔も今も変わりはないのです》

言いたいことはわかるのだが、しかし、性別二元制にこだわっているのは、三橋氏を初めとするトランス活動家も同じではないだろうか。「トランス女性は女性です」とのキラーワードを使い、「ペニスが付いても女性なのだ、女性の多様な形態の一つなのだ」と、嫌がる女性たちを尻目に女性枠に押し入ろうとしているのだから。

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