13ページにわたるシュールな手引き書
柴田 今年3月に、埼玉県営公園の禁止水着を規定した手引き書が出たじゃないですか。下乳何センチみたいに随分細かく規定されていて、ちょっとびっくりしました。
咲村 スーツを着た役人さんが会議室であれこれ決めてるって想像すると、もはやシュールですよね(笑)。それに、書類上のルールで規定のサイズを決められたところで女の子によって見え方は全然違うので、一概に言えないと思います。ファッションのモデルさんだと服が似合うような、ある程度規格化された体型を目指すんですけど、グラドルってみんな特殊体型なんですよ。胸やお尻が大きい、太っている痩せている、という個性を土台に自分の良さを見せていくものなんです。
柴田 普通の水着を着ていても女の子の体型によっては規定外になってしまうこともあるわけですよね。それに、撮影中にポージングしてはみ出てしまうことは全然ありえる。撮影会に来るカメラマンさんはそういうエロいもの目当てで来てる人ばかりだって思われている節がありますよね。
咲村 まず前提として、過激な衣装を着ていても大事な部分が見えないようにグラドル側も工夫をしています。乳首にニプレスや絆創膏を貼っているし、下もテープを貼ったり、アンダー(アンダーショーツ)というベージュの目立たない下着の上に水着を着るのが基本ルールなので。
柴田 撮影会でうっかりポロリしてしまうことはありえないわけですね。
咲村 そうなんです。彼らは見ることを目的に来ているわけじゃないので、そこがそもそもの誤解ですし、そう思われていることが私としても嫌なんです。推しのアイドルを応援するために来ている人もいるし、カメラを熱心にやっていてプロ並みの作品を撮る人もいる。オタクとかカメコって呼ばれる人たちも、本当に紳士的な人ばかりで、グラドルには絶対に触らないし、はみ出た部分とかも指摘してくれる。一部、マナーの悪い人がいたりもしますが、そういう場合も他のベテランのカメラマンさんが注意してくれたりしますね。