柴田 撮影会とかグラドル業界の実態を何も知らない人たちによる誤解が、何重にも重なっていますよね。最初にバズって炎上したのは1人のグラドルさんをすごいたくさんのファンの人が囲んで撮っている写真なんですけど、キモい男たちが、若い女の子を囲んでハレンチなことをさせてるみたいな認識をされてしまった。実際、グラドルさんたちは厳しい筋トレや体重管理を徹底してカラダを作って撮影会に臨んでいるわけですから、彼女たちのプロとしての仕事を見下しているように思えますね。
咲村 囲まれるほど人気者になるなんて、グラドルとしては本当にありがたいことですよ。みんな、囲まれるために頑張っているわけですから、無理矢理やらせてるという思い込みがそもそも間違っています。
今のフェミニズムは女性の自立を遠ざける
――お2人は、今のフェミニズムについてどう思いますか。
咲村 今のフェミニズムは、〝女性の権利”を過剰に求めすぎていると思います。女性の権利を暴走させて、女だからもっと許されるべき、大事にされなきゃいけないというのは違うかな、と。男女平等を目指す上で、今は女性の権利の方が弱いものだから、それを補うためのフェミニズムであってほしいです。
柴田 私も近い価値観を持っていて、やっぱり女性の自由と男女平等っていうのを一番大事にしています。 差別されている女性がかわいそうという風潮が強くなりすぎて、自由を求める女性は逆に肩身が狭くなっています。今回の水着撮影会中止の騒動の件も、当事者へのヒアリングがないまま13ページもの失礼な手引き書が作られているような状況になっていますね。
咲村 炎上騒ぎを見ていて思うのですが、今の日本社会全体の、誰か1人が嫌だと声を上げたらみんなが我慢しないといけないような風潮にも違和感を感じますね。
柴田 そもそもの話グラドルという職業を見下しているから、それによって彼女たちの仕事の機会や収入が奪われても、平気で自分の感情を優先させるんでしょうね。埼玉の水着撮影会に関してはゾーニングされた上で開催されているイベントだから、一般人の目に触れることはないはずなのですが。
咲村 嫌ならそこに来なければいいし、見なければいいだけですからね。SNSで流れてきてしまうなら、ミュート機能やブロック機能を使って自分が嫌なものを遠ざける努力をすべきです。その上で、私たちにも自分の表現をする権利を奪わないでほしいと思います。
柴田 当事者の声や事実を確認せずに女性だからかわいそうって決めつけるのは偏見だし、そういう論調を振りかざしてSNSで拡散するのは危険ですよね。