昭和のスターと令和のスター対決
見事、2年連続3度目のMVPを獲得し、15冠達成というメジャーリーグ無双状態だった今年の大谷翔平。「リアルタイムで大谷の活躍が観られる時代に生まれてよかった~」と言う若者がいる一方、50代中盤以上のオールド野球ファンはこう叫ぶだろう。 「大谷と長嶋を観られる時代に生まれてよかった~」
そう「ミスタージャイアンツ」に留まらず、「ミスタープロ野球」、いや、もはや「ミスター」との敬称でのみ呼ばれる偉人。長嶋茂雄御大である。都会の下町赤ちょうちんでは夜な夜な「やっぱ間違いなく大谷が球界史上最高選手だよな~」「なんだと、若造! 長嶋のほうが何十倍も凄かったわっ!!」と酔いどれ論争がくり広げられているが、この不毛な言い争いに終止符を打つべく、どちらが偉大な選手であるか比較検証していこう。
まずは生い立ちから。
大谷翔平は1994年7月5日、岩手県水沢市(現・奥州市)にて社会人野球選手だった父とバトミントン選手だった母の次男として生まれた。まさにサラブレッド! 水泳やバドミントンをして基礎体力を養った後、リトルリーグで野球を始める。小6の時には身長が167センチと当時の平均身長よりも20センチ以上高く、体格にも恵まれていた。
対して、1936年2月20日に千葉県印旛郡臼井町(現・佐倉市)で生まれた長嶋茂雄は農家の4人兄弟末っ子として育てられた。小4で野球を始めるが終戦間もなくということもあり、布袋のビー玉を詰めたボールに母が手縫いで作ったグラブ、竹を割ったバットで練習していたという。まさに昭和の野球小僧! 小学生のときは小さくて「チビ」と呼ばれていたが、犬よりも足が速いことがわかると「ポチ」と呼ばれるようになったという。 長嶋のほうが親しみやすいのは間違いない。
ちなみに長嶋が生まれた年に『日本職業野球連盟』すなわちプロ野球連盟が誕生したというのだから、まさにプロ野球の申し子と言わざるを得ないだろう。