「そうなんです。それにひとつ思うのは、おじさんの臭さってその人のがんばりの証だと思うんですよ。加齢臭が増えてくるのは40代っていうけど、40年以上も健気に生き延びてきたことがまず偉いじゃないですか。1日の終わりの靴下のニオイだってその日の仕事を一生懸命頑張ったからプンプン香ばしいニオイになるわけだし、口臭だってタバコやコーヒーでストレスを分散させて嫌な仕事を乗り越えたから激臭になるんでしょ。臭いニオイには、そういうその人の努力がギュッと濃縮されてるって思ったら、嫌だなんて思わないし、その結晶を嗅がせてもらえるのはむしろありがたいことだなと」
さすがにいいコすぎませんか。読者、たぶん泣きますよ。
「むしろ、私と同世代くらいの若い男って、まだ大した苦労もしてないし、あんまり臭くないんですよね。昨年までは同い年の彼氏と同棲してたんですが、仕事帰りでもわりと無臭の人で……。唯一臭かった靴下のニオイをクンクン嗅いでたんですけど、そしたら真顔で嫌がられるようになっちゃったんです。それ以外の要因もありますが、結局はもう別れちゃいました」
ちょっとその元カレさん、さすがに可哀想です。
「いまは代わりに、職場のペットショップで動物たちのニオイを嗅いで紛らわせてます。でも、やっぱりそれじゃ足りなくて、50代のおじさんのセフレをつくって毎週末にニオイを嗅がせてもらうようになりました。プレイ中もおじさんから出る汗を嗅いだりペロペロ舐めたりしまくるし、事後も頭皮、耳の裏、足の裏、アナルの臭いまでずっと嗅がせてもらってます。その香ばしい刺激を受けると、『明日からまた頑張ろう』って思えるんですよね」 ニオイのためにセフレまでつくるとは……。極めてますね。 「でも、希少かもしれないけど、私みたいなフェチの女も絶対に存在します。なので、おじさんたちはあんまり気にしすぎず、ふつうに香ばしいニオイをプンプンさせて生きてってほしい。皆さんの臭さを求めてる女がここにいるので、いつか出会えたらいいですね(笑)」
とてつもなく優しいお言葉、ありがとうございました!
文/田中慧