「その人はテレビ関係ということもあってか、使っているシャンプーやボディソープもいい匂いで、最初はそんなに気にならなかったんです。とはいえ、何度も夜に密会してたら、やっぱりにおう日もあって……」
そりゃ、五十路のおじさんならどんなにカネをかけても臭いときはありますよね。
「ただ、本人も臭いときは真っ先に気づけるタイプで、そういうときは自分の事務所に置いてあるらしい、赤ワインの香りがするという高級なルームフレグランスの液を、手首や首に仕込ませてくるんですよ。好きな人っていう贔屓目もあるとは思うんですけど、その涙ぐましい感じになんかキュンときちゃって……。会うときにその香りと加齢臭が混ざったニオイがするたびに、『今日も仕込んできたの? 可愛いね』ってたくさん褒めてあげてました」
独特のプレイですね……。でもそれ、ふつうに香水じゃダメだったんですかね。
「彼と同じ業界のおじさんは、皆、香水を全身にふりかけまくって逆に臭い人が多かったみたいで。『自分はそうはなりたくないから、香水は絶対使わない』って言ってました。だからといって、ルームフレグランスを塗るのもどうかといまでは思いますけど(笑)」
そのおじさんとはすでに破局しているとのことですが、いまでもおじさんのニオイは苦手なんですか?
「じつはいまの彼氏は50歳の人で、その人は香水もルームフレグランスもつけてないからありのままの加齢臭をいつも香らせてたんです。でも、先日は私が石鹸の匂いの香水をプレゼントしたら、つけてくれるようになって。たぶん、おじさんの臭さはいまでも好きではないけど、好きな人が、自分のためを思って何かしらの改善策を講じてくれたらどんなニオイでも許せちゃうタイプなんだろうなと思いますね」
タバコ臭さが消えたおぢと交際
続いて話を聞いたのは、美術学校の講師をしているという九重優香さん(仮名・29歳)。九重さんはニオイがきっかけで人生が大きく変化したんだとか。
「美術学校の講師ってあんまり儲からないので、深夜にこっそりガールズバーでアルバイトをしてたんです。それで2年ほど前、駅前で客引きをしていたら、私に一目惚れしたと訴えてくる20コ上のおじさんがいまして。そのときは単にいいカモだと思って店につれていき、その後も週2ペースで通っては私を指名してくれるようになったんです」
ガチ恋太客をうまく見つけたんですね。たしかに九重さんは吉瀬美智子似の美人さんなので、惚れる客も多そうです。