昨年末のナベツネに続いて長嶋が死んじゃったのは6月のこと。ついに昭和のプロ野球も終了的な空気が蔓延しています。しかしそれはともかく、有名人が亡くなると一丁嚙みしてくる魑魅魍魎たちが、今回もわらわらと湧き出しているみたいです。
後期高齢者(有名人)の 約束された死
6月3日、あの長嶋茂雄が亡くなりました。享年89歳。巨人軍は永久に不滅でも、ご自身は人間なので、永久に不滅とはいかなかったようです。結果、日本中がお約束のように哀悼の空気に包まれているわけですが、ちょっと待てと言いたいのです。
だいたいここ数年、公の場に姿を現した長嶋といえば、脳梗塞の後遺症でまともにしゃべれず、口は半開き、常に車椅子移動で立つこともままならず、正直、Xデーは近いと誰もが思っていたはず。つまり約束された死であって長嶋が死んだことに驚いた人などいないのです。
事故や事件、突発的な病気など誰かが予期されぬ死を強要された場合、我々は近親者や友人、知人でなくても気の毒に思い悲しい気持ちになります。しかし知り合いですらない後期高齢者が亡くなったからといって悲しむとかないでしょう。
まあテレビや新聞が追悼特集を組むのはわかります。記録より記憶に残る選手と言われただけに、元プロ野球選手としての影響力は、記憶より記録の王やイチロー、金田、張本、松井なんかより、全然上だったことは間違いありません。
親族や実際に一緒にプレーした選手、監督時代の長嶋の元で戦った選手には、その死を純粋に悲しむ資格があると思います。でもただの芸能人とか文化人とか、絶対に悲しいと思ってもないくせに空気を読んでるのかポジショントークか知りませんが「悲しいです」的なことを言うなよって話なのです。
特に古市憲寿。長嶋の死にかこつけて「本当はこういう時に中居さんとかにコメントしてほしかった」とか言うな。性加害者にコメントされたりしたら、ミスタープロ野球が汚れるだろうが!
初出/実話BUNKAタブー7月号
文/編集部