この構図はこれまで何度となく繰り返されてきた。SNSで政治家や有名タレント、文化人に対する性的加害の告発が流れると、事実確認もないままスキャンダラスな内容だけが一気に世間に広まっていく。後になって虚偽や誇張が判明しても、告発を支持した人々は何の責任も取らず、また新しい生贄を探すだけである。草津町の事件は、こうした構造的な問題が地域政治という現実に影響した最悪のケースと言えるだろう。
黒岩町長が受けた傷は、たとえ法廷で無罪が確定したとしても消えるものではない。被害を訴える女性を守るべきだという大義は重要だが、大義を盾に無実の人を社会的に葬ってよいはずがない。
フェミニズムの理念は、性暴力を受けた女性が安心して声を上げられる社会を作ることにあるはずだが、ツイフェミたちの言動はむしろその真逆の結果を生んでいる。虚偽告発による冤罪事件は、本当に被害を訴える女性が疑われやすくなるだけだ。個々の事件を自分たちの政治的主張の踏み台にする者がいる限り、同じ悲劇は繰り返されるだろう。
これがツイフェミたちの“正義”の本質であり、いつまでたっても社会から受け入れられない理由である。
文/河野嘉誠
初出/実話BUNKAタブー2025年12月号