アウティングとは、同性愛者である事実を本人の意思を無視して他者が勝手に公言すること。私も以前原稿で槇●敬之氏に言及したら丸々削られてしまったことがあるので、いくら公然の秘密としてもそういう話題はデリケートに扱わなければいけない。
つまり大勢の人々が草間リチャード敬太をゲイバレしてしまった可哀想なアイドルとしてとらえたのだが、二丁目で全裸になっただけで同性愛者と断言していいものだろうか。相当特殊なシチュエーションとはいえ、そちらのほうが一方的で暴力的な意見なのではないだろうか。
そもそも舞台となったのは、有名なゲイショップが入った二丁目でもランドマーク的なビルで、面白半分のノンケがいてもおかしくはない。おそらく彼が泥酔したバーは、二丁目で40年以上営業している老舗ゲイバーで、クイーンのフレディ・マーキュリーが来日するたびに訪れていたという有名な場所だ(マスターがフレディの寵愛を受けていたという噂が流れていた。別の意味で受けていたのはフレディのほうだったらしいが)。このバー、私が20代の頃はレベルの高い野郎系ゲイバーとしてブスには敷居の高いお店だったが、21世紀になってノンケも女性もウェルカムの観光バーになったのだ。明け方に泥酔したノンケがうっかり脱いでしまってもギリ不自然ではないのだ。
しかしもはや釈明も何もできない彼のあの苦悶の表情に、私はゲイバレというかゲイを疑われただけで生きづらくなる未だ旧態依然の日本を思い知るのであった。
ところでそもそも未明の二丁目で全裸は、わりと当たり前すぎてほぼ無罪である。物陰でファックしていてようやく通報&ゲイ認定という治安なのだ。私含め心当たりのあるゲイはたくさんいるので、単なるアンラッキーとして強く生きてほしい。
ジャニー喜多川:サムソン高橋連載1
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PROFILE:
サムソン高橋(さむそん・たかはし)
鳥取県出身。ゲイ雑誌『SAMSON』 編集部で編集者およびライターとして勤務し、同社の『SAMSON ViDEO』も制作。2002年に退社。その後はフリーライターとして活動。能町みね子と同棲生活をしている。主な著書に、『世界一周ホモのたび』(ぶんか社)シリーズ。
twitter:@samsontakahashi





