これは長年の党員であったジャーナリストの松竹伸幸や元京都府委員会常任委員の鈴木元が、「党首を党員の選挙で選ぼう」と著書で提案したことに端を発する。
ただそれだけのことなのだが、党指導部は「党内に分派を作った」「外から党を攻撃した」と激怒し、除名処分を下したのだ。一切の異論を許さないこのカルト的な閉鎖性は、普段は共産党に好意的な朝日新聞や毎日新聞の社説すら「異論を許さぬ体質」と痛烈に批判したほどだ。
「当時の志位和夫議長や田村智子委員長ら指導部は、『反共キャンペーンだ』『不当な干渉だ』と聞く耳を持たなかった。トップの失敗や党勢の衰退の責任を誰も取らず、異を唱える者は首を切り落とす。この自浄作用のなさが、有権者をドン引きさせているんですけどね」(前出・政治ジャーナリスト)
そして、彼らが世間から見放されている決定的な理由は、共産党が標榜する「左翼・リベラル的思考」が、もはや現実社会から完全に乖離したお花畑ロジックに成り下がっている点にある。
その最たるものが、防衛・安全保障政策だ。「戦争反対」というキレイごとをタテにした安全圏から、現実離れした主張を繰り返しているのが今の共産党だ。
現在、日本は戦後最大の安全保障の危機に直面している。ロシアによるウクライナ侵略、北朝鮮の常軌を逸したミサイル挑発、そして中国による台湾有事の切迫と尖閣諸島周辺への露骨な軍事的威圧など、情勢はキナ臭さを増している。
ところが、この現実を前に共産党が唱えるのは、いまだに「日米安保条約の廃棄」「自衛隊の段階的解消」、そして「東アジア規模の平和の枠組みによる解決」というお花畑の念仏である。
彼らは防衛費の増額や反撃能力の保有にも猛反対しているが、軍事的な抑止力を持たない丸腰外交など、独裁国家の前では何の効力も持たない。共産党の戦争反対は、日本の防衛力を削ぎ、中国や北朝鮮を喜ばせる「利敵行為」でしかないだろう。
さらに言えば、日頃は「自衛隊は違憲」と批判し、基地周辺で抗議活動を繰り広げているにもかかわらず、党の公式見解では、「他国から侵略された有事の際には、自衛隊をフル活用する」としているのだ。これが自己矛盾にまみれた今の共産党である。
