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鈴木エイト寄稿 統一教会と安倍元首相の関係とは

社会
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自民党と統一教会の歴史の変遷

1954年に韓国で文鮮明が創設した統一教会は58年に日本進出。翌59年に日本統一教会設立、64年に宗教法人として認証された。文は67年に山梨県本栖湖畔で行った戦後右翼の大物らとの日韓反共首脳会談を契機に翌68年、岸信介元首相の後ろ盾を得て国際勝共連合を創設。勝共運動は東西冷戦下での安保闘争時代を背景に政財界へ浸透してゆく。74年5月に文鮮明が帝国ホテルで開いた「希望の日」晩餐会には岸の他、福田赳夫、安倍晋太郎ら40人の自民党国会議員が出席した。文は「まず秘書として食い込め。食い込んだら議員の秘密を握れ。次に自らが議員になれ」と指示、秘書養成所で訓練された信者が自民党国会議員のもとに送り込まれ、秘書や運動員として活動してきた。90年代初頭には200人以上の「勝共推進国会議員」が存在した。

一方で社会への軋轢も起こった。65年には学業を放棄し原理運動に没頭する教団系学生組織・原理研究会(CARP)への批判報道がなされ、80年代以降には高額な壺や印鑑などを売りつける霊感商法、正体を隠した偽装伝道、教祖が選ぶ相手とマッチングされる合同結婚式の問題などが報じられた。これらは形や手法を変えながら現在も行われており、韓国の寒村に嫁ぎ生活苦に喘ぐ日本人女性信者が数千人以上存在すると言われている。街頭勧誘や訪問、大学キャンパス等での偽装勧誘も横行している。

87年に結成された全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の集計によると、2020年までの統一教会による霊感商法の累計被害額は1234億円を超えている。これは氷山の一角に過ぎず、現在も億単位の被害を巡る訴訟を始め複数の裁判が係争中だ。流出した教団内部資料によって毎年数百億円に上る日本から韓国の教祖一族への上納金額が判明している。霊感商法最盛期の00年代前半には年間約1000億円が送金された。統一教会は韓国国内外に一大企業群を抱えており、日本から収奪したお金が教団組織や関連企業群を支えている構図だ。

全国弁連は20年6月、地方自治体への申し入れの際に統一教会を「反社会勢力とも言うべき極めて問題のある特定宗教団体」と指摘した。そんな反社会的宗教団体と自民党国会議員との関係は時代とともに変化してきた。

90年代初頭に活況を呈した勝共推進議員は一連の社会問題や東西冷戦終結の影響などにより激減、政界工作も00年代には下火となった。ところが12年の第2次安倍政権発足後、状況は一変する。

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