「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」
1972年生まれの自分は『北の国から』直撃世代に入っていると思うのだが、自分の地元ではフジテレビ系列の民放がなく、他の系列の民放局で全然違う時間帯に遅れて放送していた記憶がある。再放送枠の時間帯だったかもしれない。それがどの時間帯だったか40年以上前のことで具体的には思い出せないのだが、常にその時間にあわせてテレビの前にいたような記憶はない。
あと、小学生の時分にとっては非常にイヤな気分にさせられることが多かった記憶がある。
親の勝手であんなところに引っ越しさせられたらいやだなと本当に思ってた。
テレビないとかほんとにイヤ。雪あんなに降るとか寒そうでイヤ。あんな非文明的な生活したくない!お母さん出ていったのもイヤ!あんな変なお父さんもイヤ!
同世代の当時小学生だった人に聞きたいのだが、『北の国から』を子供の時に本当に好きだったのか。子供だったから夫婦のことはよくわからないし、勝手に友達も誰もいない知らない土地、しかも電気も水道もないとこに連れていかれるとかまったくもってひどい話だと思っていた。
自分のミスで火事になるとかも本当に見ていてイヤな気分になるし、こんなことが自分に起こったらどうしようと恐怖すら覚えていた。
そういえば、あのラーメン屋での「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」のシーン。大人になってから「確かに店員の態度はよくないけど、閉店間際であんな感じでいられるのは店としては困るし、ラーメン屋の店員だって早く帰りたい事情があるかもしれないのに、あんなに怒らなくても」と思っていたら、あの店員はシングルマザーで幼い子供を家に残しており早く帰ってあげたかったという設定を倉本聰が考えていたのを知り、なんてツラい話だとあらためて思い知らされることに。そういうところ、倉本聰は本当に凄いと思う。
自分が『北の国から』を普通に観られるようになったのは高校生以降に登場人物との心理的な距離がとれるようになってからで、子供の頃は本当にイヤな話だと思っていた。イヤすぎて実際にテレビの前から走って逃げだしたこともある。
五郎さんの言動が年々極端になっていき、変すぎるようになってきたことで何か別の魅力がでてきたのも安心して観れるようになった理由だが、その時点で『北の国から』を純粋に観てなかったともいえる。
