うつ病教師は会社員の1/10
「最悪、残業してもいいですけど、それなら残業代を出して!」と教師は言う。
「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」、いわゆる「給特法」というものがありまして。
それによると「教員の月給に4%の『教職調整額』を一律上乗せする代わりに残業代は出さない」としている。「教員は自発性や創造性が求められる上、授業のない夏休み期間などもあることから、勤務時間管理には馴染まない特殊な仕事である」というのが理由。
時間に縛られているのは6コマ程度の授業だけで、4時間半のみ。他は準備や後処理(テストの採点やレポートのやりとり)などで、そこは教師のさじ加減。例えば「一次関数」を教える準備を1時間で済ます者もいれば、3時間かける者もいる。自発性や創造性が求められるというのはそういうことで、教師の裁量次第。教師が裁量労働制だと前述したのはここからきている。
それが嫌なら公立は辞めて、厚待遇の私立なり、塾の講師になればいい。そちらに踏み出せないで文句ばかり言っているのは、公務員の安定した生活を容易に手放せないからじゃないんですか? ねぇねぇ?
そもそもそういった声が教師全体から出ているのなら、給特法はとっくの昔に改正されていないとおかしい。何せ、1972年施行の法律ですからね。半世紀前の遺物が未だにあるってことは文句のない人が大半ということでしょう。
それでも数字を見繕って文句を出してくる輩がおりまして。
2012年に行った「勤務実態調査」(回答数6879、うち教員5880)によれば、国が過労死ラインと定める「月80時間以上の残業」をする教師は35.8%(約3人に1人)、そのうちで「月100時間以上の残業」をする教師は21.3%(約5人に1人)に上ったというデータを出してきたんですよ。
全日本教職員組合、そう全教が。
恐らく全教に加入している教師にアンケートを採っているはずだが、そもそも労組に加入する者というのは待遇に文句が言いたくて仕方ない人たちなので、その時点でバイアスがかかっていると見るべき。加えて、全教の加入者がどのくらいの割合なのかというと、全教職員中のたった3.6%ぽっち(18年10月1日時点)。約100万人の中の3万6497人の中の6879人が回答したデータという一握り中の一握りな上、「文句を言いたい」バイアスがかかっていてのこの数字である。
これより遥かに少ないと思うのが自然。