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映画『福田村事件』森達也監督が考えるコロナ禍と「集団化」

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もともと同調圧力の強い国で私たちは生活しています。森さんが講義をしている大学には中国や韓国からの留学生も多く、彼らからよく同じ質問を受けるそうです。

「不倫報道とか企業の謝罪会見って、不祥事を起こした人がカメラに向かって謝ってますけど、『あれって何に謝ってるんですか?』って」

なんて答えるんですかと訊くと、「空気に謝ってるんだよ」と言って森さんは苦笑しました。

「日本には空気っていう大きな存在があるんだよって」

日本人に染み付いた穢れ意識

日本の同調圧力の強さを、稲作を村全体でやっていた名残だと説明する人もいるそうです。しかし、韓国も中国も同じ稲作文化のため、その説は完全でないと森さんは考えています。

「一番大きいのは穢れ意識だと思いますよ。だから被差別部落の問題もいまだに続いてるし」

日本は「天皇制の国だから。天皇って浄めのトップだからね」と森さんは言います。

「天皇制が強化されるほど、穢れ意識も強化される。まず僕は日本の天皇制のあり方と、人々の眼差しの歪さを変えるべきだと思ってるんですよ。彼らをもっと普通の目線で見つめるべきだと思う。天皇家だって人間なんだと。恋もすれば病気もするのが当たり前」

眞子さまと小室圭さんの一連の結婚報道に関しても、イギリス皇室のスキャンダルのように同じ人間の出来事としてニュースが消費されているわけでなく、同時に揺るぎない天皇制があることに気持ち悪さを感じるそうです。

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「特にメディアは普段なかなか(皇室のスキャンダルに)触れられないからさ(笑)。かたや一般人だし、みんながみんなそういう風に考えてるわけじゃないだろうけど、ここぞとばかりって感じが鼻につくな」

眞子さまが女性だからっていうのもあるのかなあ、と森さんは考えながら呟きます。

「女系天皇を認めるかとか、女性は土俵に上がれないとか、あれも全部そもそも女性は穢れてる存在だからっていう話ですからね」

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