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『あの子もトランスジェンダーになった』発売中止騒動を考える:ロマン優光連載269

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今回のことは非常に珍しいケースだと思う。

昨年、作家・樋口毅宏氏の小説『中野正彦の昭和九十二年』(イースト・プレス)が、社内の編集者にTwitter上でヘイト本(私の読んだ感想ではヘイト本ではない)であると「告発」され炎上、発売前日に出版社によって自主回収されたケースは編集部内部で解決すべき問題を放置したために事態がこじれ、実情がわからぬ外部を巻き込みながら暴走したケースだと自分は判断している。ようするに内部の問題が大きな原因である。

今回の件、あの程度の抗議では普通は発売するだろうし、告知から発売中止の期間が短すぎる。そう考えると今回の発売中止の主な原因は外部からの抗議にあるというより、KADOKAWAの内部の都合にあったのではないだろうか。

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幕の引き方がいい加減すぎる

この『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』。この本の原書は「Regnery Publishing」という出版社から発売されている。長い伝統を持つ、保守的な思想を支持する出版社だ。

自著の序文で文鮮明と統一教会への信仰を宣言する熱心な統一教会の信者であるジャナサン・ウェルズによる反進化論本。トランプ支持者であり、20年の米大統領選挙の結果に不正があった疑いがあると主張した共和党のジョシュ・ホーリー上院議員の本。元ワシントンタイムズ(統一教会系の出版社で記事の内容の真実性や人種偏見などの偏向がよく問題とされる)記者による文鮮明脱税事件の擁護本。反共主義者、キリスト教右派や白人至上主義者の著作。どこか特定の「保守」派閥や団体とベッタリというわけでもなく、共通する保守的な価値観があれば何でも連帯するような姿勢で、アメリカを腐敗させる「左翼」的なものと戦うという信念のもと、こうした傾向の本を長年に渡って出版してきた老舗の保守系出版社である。

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