失業給付金を全額受け取り終わっても仕事に就くことができず、アルバイトなどもしていないため、家賃を支払うことが困難な場合は、あらためて住宅確保給付金の申請をすればいい。とはいえ、失業保険も住宅確保給付金もすべて「自活のためのサポート」が大前提となっているので、3カ月以上も無職のまま、給付金もらってのうのうと暮らしていれば、ハロワ窓口の当たりは相当キツくなる。「アンタ、ホントに働く気あるの!?」ぐらいの嫌味は当然言われるので、その点はご覚悟を。
職業訓練で支給期間を延ばせ
去る者に不親切な会社でも、年金や健康保険の切り替えが必要なことぐらいは退職時に教えてくれるはず。しかし、住宅確保給付金の例でも分かるように、細かなケアや情報提示までは期待しない方がいい。制度の存在を知らなかったがゆえに、本来受け取ることができたお金やメリットを取り損なってしまわないよう、「無職になったらなにをすべきか」を今のうちにリストアップしておこう。
住宅確保給付金と失業給付金の申請が済めば、とりあえず2〜3カ月は生きていけそうだ。まったりとニート暮らしを楽しむのもいいが、よりポジティブに「職業訓練」を受講するのも悪くない。文字通り、再就職に役立つ技術や知識を学ぶことができる各種講座で、ハローワークに求職申込みをしている人なら無料(1年未満のコース)で受けることができる。数週間で修了する短期コースから、最長で2年の訓練とさまざまだが、一般的な訓練期間は3カ月〜半年ほど。
宅建業、パソコン、簿記、プログラミング、医療事務、介護、自動車整備、電気工事など、幅広いジャンルの専門技術が再就職に大きなメリットとなるのは当然だが、職訓をおすすめする理由はそれだけではない。なかでも、ぜひとも受講すべきなのが自己都合で退職した人。自己都合で退職した場合、失業給付金の支給が約3カ月後になってしまうのは前述の通りだが、職訓を受講すればその制限が即解除されるのだ。
職訓のメリットはまだある。
失業給付金の受給資格があるうちに受講をスタートすると、訓練が終了するまで給付期間が延長される。給付期間が180日以上の人は、全日数の3分の2の支給を受け終わるまでに訓練を開始することが条件。同じく150日の人は120日分を受け終わるまでに、給付期間が120日および90日の人は1日でも支給が残っていればOK。これらの条件を整理すると、自己都合退職の人は早めに訓練をスタートし、会社都合退職の人は支給終了直前に受講をスタートさせるのが、より長く失業給付金を受け取るコツだろうか。