さて、ここで我々は現在の松本の姿を思い浮かべるべきだろう。季節感のない浅黒い肌、気味悪く隆起した胸筋、根元まできれいに染まった金髪。これらを必死にキープする松本と、それに費やされる時間を考えると、いじらしさすら感じる。そりゃ、コント番組を作る時間などないはずだ。
松本が自らの職業と能力に格別の矜持を抱いていることは、次のような一説にも見て取れる。
「コメディアンという肩書で、歌をうたったり、ドラマに出たりするのは、オレは違うと思う」
「いつまでも笑い一本で勝負していきたいものである」
「一本入魂のタレントにとって、五本のレギュラーが限界なのである」
脇目も振らず、ひとつのことに専心するのは結構。クオリティーを保つため、仕事量をセーブするのも立派なことだ。しかし、松本はその後「GEISHA GIRLS」としてCDをリリースし、紅白にも出演。「Re:Japan」の『明日があるさ』では華麗なボックスステップを踏み、相方が歌唱する『チキンライス』においては、貧乏&親孝行というお涙頂戴物語を作詞。2000年には、ドラマ『伝説の教師』で主演を務め、大真面目な熱演を披露している。あー、片腹痛い!
ちなみに、現在の松本はレギュラー番組だけで7本超、そのほかシリーズ特番も多数。魂の入っていない番組なら、これぐらいこなすのは余裕なのだ。
配信のシリーズ特番では『ドキュメンタル』も長い。同番組には、ほぼ毎回女芸人が参加し、女性タレントだけの『女子メンタル』も地上波で放送。
とろサーモン・久保田らの暴言騒動の際には、「上沼さんという人がどれだけの人か、分かっていない」と、上沼恵美子への最上級のリスペクトを表明。女芸人の能力を認めているのかと思いきや、『遺書』ではこんなことを言っている。
「女はコメディアンには向いていないのか? その答えは、ハッキリ言ってYESである」
女性差別ではないらしい。
「そう、宿命のようなものなのだ。たとえば、全身タイツでコントをやるにしても、胸がふくれているだけで、目がそっちにいってしまい気が散って笑えない」のだとか。
なるほど、近頃の松本の渾身のボケがこれっぽっちも笑えないのは、ピチピチシャツのなかでモッコリ膨らんだ胸に目がいってしまい気が散るからか。そういう宿命なのだから仕方がない。
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