反リベラル・左的な界隈の中で嫌韓的なものが勢いを失い、暇空茜問題に代表されるように女叩き・フェミニズム的なものに対する攻撃がネット上では勢いを増しているのが実感される。例えば、アンミカ氏に対するバッシングはX(旧ツイッター)上など特定の場所では目立つものの、「どん兵衛」の売り上げにどれだけ影響があったかとか、アンミカ氏の芸能活動にどれだけ影響があったかを考えるとたいした影響はないのが実際のところだろう。それに比べて、暇空氏の言動は確実に現実に影響を与えており、去年から今年においての一大現象である。
上にあるように「左派」的なものへの攻撃は対象を変えながら続いているわけだが、その一環として、いわゆるLGBT法に反対する立場で女性専用スペースの問題と絡めて「トランスジェンダー」を叩くことが増加している。女性専用スペースに男性が侵入してくるのではといった類の危機感を抱いた女性達(多くは左派であり、フェミニズム的なものを支持していた人)の一部が先鋭化していく過程で他の政治的な問題や人権問題では意見が合わないだろう 「アンフェ」や宗教右派層と共闘する奇妙な状況も生まれた。
陰謀論について触れることも多かった。コオロギ食のように単独で特定の陰謀論を取り上げることもあれば、原口氏やASKA氏のような陰謀論者を取り上げたこともある。ジャニーズファンの一部が陰謀論に接近した事例や、元暇空茜支持者のインタビューについての感想など陰謀論がメインテーマでなくても、間接的に陰謀論に言及することも多く、陰謀論のある風景が普通になっているのを実感する。
白いカラスが一羽いることでカラスは全部白いと言い張るような、例外と極論で何かを証明したような気になる人が多いのも実感したし、感情優先で意地をはってると、大元がなんであれ陰謀論的な言説に取り込まれやすいというのも実感できる、そんな2023年だった。
サムソン高橋とのイベント
改めて原稿を見返すと、その後どうなったのかが気になる話題もあり、今回改めて現状を調べたものもある。
高知県土佐市の観光交流施設で経営していたカフェが地元の有力者によって不当に追い出されそうになっているとネット上で訴えて炎上していた件。カフェは結局観光交流施設から撤退させられたが、高知県の中心地である高知市はりまや町に移転し名を変えて経営しているようだ。
この実話BUNKAオンラインで「ハッテン場から愛をこめて」を連載中のサムソン高橋氏と12月23日に年間振り返りをテーマにイベントを開催したのだが、はあちゅう氏なりすまし裁判が今年のことだったというのに2人とも驚いた。もっと前の話のような気がしたのだが、今年の春の話だったのだ。このようにネットで話題になった話などはすぐに忘れられるものだ。