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Mrs.GREEN APPLE『コロンブス』のMVを見た:ロマン優光連載295

連載
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MV中にベートーヴェンがおそらく『英雄』らしき譜面を類人猿に教えており、それを見たナポレオンがサムアップするというシーンがある。これはベートーヴェンがナポレオンを許したことを現しているのだろうか。それとも『英雄』がナポレオンに捧げられたという知識しか知らなかったために生まれたものなのだろうか。

そもそも2人の選考基準がよくわからない。業績でくくる(コロンブス、マルコ・ポーロ、鑑真みたいに長い期間旅に挑んだという属性でくくる)とか、時代も国も職業もっとバラバラにしてバラエティをだすとかならわかるが。統一感もバラエティ感も微妙になくて、わからなすぎる。各メンバーで好きな偉人を選んだのだろうか。

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水牛の骨が部屋の壁に飾られていることも、ネイティブ・アメリカンが生活資源として大事にしていたバッファローを、彼らの生活を破壊するため白人が意図的に乱獲し絶滅させた歴史を踏まえて考えると意味が生まれてくるが、あれも意図的であったのか、映画などで見たことがあるビジュアルを単に深い意味なくデザイン的に真似ただけなのかはわからない。

日本のものである人力車を入れたのも意味がよくわからない。観光っぽさを出したかったのだろうか。

大森氏は謝罪文で「類人猿も人の祖先として描きたかった」と書いているが、それなら類人猿ではなく猿人なのではないのだろうか。

また、類人猿はよく考えると最初からマカロンを食べていたり、後半ではビデオを持っていたりするわけで、偉人たちよりも進んだ文明を持っている。

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だから、文明を彼らから教わるのは変だ。

だから、偉人たちが啓蒙しているように見えるシーンは、特技で交流しているという仲良しシーンとして本気で考えられたものなのだろうが、それだったら類人猿からも何かを教わるシーンを入れたらよかったのではないだろうか。

知識ベースで考えるほど奇妙に感じる部分が生まれる作品であり、旅っぽいところ、啓蒙っぽいところ、パーティーっぽいところが絶妙に首尾一貫性がなく、専門的な知識があまりない人が感覚優先で無邪気につくったものだと考えたほうが納得がいく。

何らかの意図があったら、あれだけ無邪気にポジティブな雰囲気はだせず、何らかの悪意が滲み出るものだろう。

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