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視聴率のために人を殺してきたテレビ局の横暴

社会
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実数は計り知れないが、被害の増大が確実視されているのが95年1月17日の阪神淡路大震災での報道ヘリの騒音問題。震災の6日後に収録された同年1月27日放送のテレビ番組『鶴瓶・上岡のパペポTV』にて、上岡龍太郎がこんな話をしている。

息子が震災直後に倒壊した家屋に向かって声を振り絞り、「誰かいませんか」と生存者の有無をたずねてまわっていた。なぜ声を振り絞らなければならなかったかというと、取材陣のヘリコプターの爆音が鳴り響いていたからだという。このせいで助かるはずの命のいくつかが助からなかったであろうことは想像に易い。

実際に同様の指摘が多数寄せられた結果、97年に日本民間放送連盟から、報道ヘリは騒音にならない程度の高度を保つように指示した「航空取材ガイドライン」が出されている。先の能登半島地震でもこのガイドラインが守られたと信じたい。

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行き過ぎた正義感で記者魂をはき違えた人でなしの異常な行動をしてしまい、目の前で人が死ぬのを止められなかった事件といえば「豊田商事会長刺殺事件」であろう。背景にあったのは高齢者を中心に数万人が被害に遭い、被害総額は2000億円近くにもなると言われた組織的詐欺事件「豊田商事事件」だ。

客と金地金を購入する契約を結ぶも現物を渡さないいわゆる「現物まがい商法(ペーパー商法)」による詐欺事件を引き起こした豊田商事の永野一男会長(当時32歳)が住んでいた大阪市のマンション前には、逮捕される瞬間を収めようとするマスコミが大挙していた。カメラマンらが張り込みをして3日目の85年6月18日、突然現れた2人の男。彼らは部屋に押し入り、持っていた刀で永野会長を滅多刺しにして斬殺したのである。

その惨劇を目の前にした大勢のマスコミは何をしていたかというと……無言でカメラを回し続けていた。人が殺されているのに、助けるでもなく、通報するでもなく、カメラを回し続ける。完全なる異常者。

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報道機関が聞いて呆れる人殺し

ここまでの事件は誤った正義感で突き進んだ結果の悲劇である。しかし1989年に起きた「坂本堤弁護士一家殺害事件」の引き金になった可能性を否定できない「TBSビデオ問題」は、報道機関としての矜持が問われる。

同年10月26日、TBSのワイドショー番組『3時にあいましょう』スタッフがオウム真理教を批判する坂本弁護士のインタビュー映像を放送前に同宗教幹部に見せた上で放送を取りやめた。11月4日に殺害事件発生。後に日本テレビの「オウム幹部がTBSでビデオを見たと供述」との報道に対しても「ビデオを見せた事実はない」と否定している。

ジャーナリズムの鉄則である「情報源の秘匿」を守らず、事実隠蔽。それで報道機関とは聞いて呆れる。 もう金輪際、テレビは人畜無害なクイズとか旅番組とかだけやっていてくれ! 頼む!!

 

文/ダテクニヒコ

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