S そこは、「饗 くろ㐂」だけに限りませんが、みんなが美味しいって言っているお店に行くと、バイアスがかかる。「うまいと思いこんで食べる、だからうまい」という状態が起こってしまうのは仕方ないです。
──そうすると、「みんなが美味しいって言ってるあの名店、じつはまずいぞ!」と叫んでいるタブーにも、情報としての価値はありそうですね。
S 情報って大事ですよ。鯛出汁のラーメンを食べてたとき、「これ、鯛を使ってます」と聞いた途端に鯛の味がしたことがありますからね。SNSではおなじみのラーメンハゲ(漫画『ラーメン発見伝』の名言連発キャラ)は、「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ」と語っていますが、情報もラーメンの旨みの一つとなり得ると思います。
──SUSURUさんは、新しいラーメン屋を探すときどういう情報をチェックするんですか?
S 写真ですね。クチコミはほぼ見ないです。YouTube動画の再生数って、ラーメンのビジュアルによるんです。元シェフの記事で言ったら、「ダメな隣人」とか「麺や一途」(品川区、20点、ワースト13位)が美味しそうに見えます。
──なにが違うんですか?
S どんぶりのスープの量が多いでしょう。ラーメン一杯を見たときに、余白が少ない。各具材の隙間が少なくて、しっかりボリューム感があるラーメンが、美味しそうに見えるんです。
──そういう観点から言うと、この記事でいちばんダメなビジュアルのお店はどれですか?
※インタビューの続きは『実話BUNKAタブー』2024年8月号にてお楽しみください。
初出/実話BUNKAタブー2024年8月号から一部抜粋