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自分が今通っているアイドルの曲は『楽曲派アイドル・ガイドブック ももクロ以降のアイドルソング再考』には載っていない:ロマン優光連載326

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ロマン優光の紹介コーナー

何が入ってる、何が入っていないということに関しては言っても仕方がないことだが、自分の通ってた地下現場のほとんどのグループが紹介されてないというのはさすがに寂しい気持ちもわいてくる。そういうわけで、『楽曲派アイドル・ガイドブック ももクロ以降のアイドルソング再考』に掲載されてない新型コロナ禍以前のアイドル楽曲をいくつか紹介して終わりたい。

① アイコン1UP LOVE

BiS、でんぱ組incの人気を受けて作られた、地下アイドル運営として悪名高いJolly Roger界隈の「サブカル」っぽいゲームコンセプトのアイドルの代表曲。2014年におこなわれた無数のカヴァー曲と3曲ほどのオリジナルで構成された彼女たちの無銭ワンマンから。

メンバー・星乃めるもはBiSのラストライブを見に行っていたが、BiSの影響でアイドルになった最初の一人であり、それ以前の地下アイドルにいなかったような2016年以降の質感を持った人だったし、2016年から2017年くらいの「TRASH-UP!!」のイベントにでてても不思議ではない雰囲気のグループだった。ある種のミッシングリンク。メンバー・橘結衣奈は現在のプロ雀士・都美。

② どうして友達がいないのか。『存在証明』

ラウド系とも言えないし、キラキラ系でもない、「TRASH-UP!!」的でもない。どうにもおさまりが悪かった新型コロナ流行直前に活動していたグループ。ライブにおける夢乃うららの煽りが独特で迫力があった。いい曲。

③ センチメンタルウインク『イツマデモ』

 元あヴぁんだんど、初代xoxoKiss&Hug EXTREMEのメンバーも務めたうたた寝音をメンバーとするグループ。初期メンバーには月雪まなか、先斗ぺろがいた。これはうたた寝音ソロ体制になってからのもの。現在ある程度の尺で見られる動画はネット上にこれくらいだが、自分が一番好きな曲は『妄想小説』。六条ななとのデュオ時代が一何印象深い。聴くだけで部屋の湿度が上がるような楽曲と世界観が魅力。

夢幻レジーナ『麗しき凶暴な世界』

シーンの過渡期に最初期の「TRASH-UP!!」イベントで重要な役割を果たしていたグループであり、他のラウド系とは一線を画す,アングラ的である種ストーナーロック的なサウンドを持ったグループ。プログレと言われた最初のグループ一つでもある。比較的ポップな代表曲の一つ。

⑤ エレベーターサティスファクション『無神経night walker

9DayzGlitchClubTokyoのある意味前身にあたるグループ。9Dayzのミル・サトウ以外にMC481屋、月奏ミサなどが在籍した。いい曲。のちに9Dayzでカバーされている。

Sからはじまる『覚悟でススメ』

TRASH-UP!!」イベントの初期に出演していたグループ。単調なリズムと和音階と文語の多い歌詞が印象的。独特のグルーブがある。

⑦ るなてん!『エクスクラメーション』

るなとてんのデュオ時代ラストシングルにあたる中華アイドルポップス。佐々木喫茶ワークの中で一番好きかもしれない。

他にも色々あるが、きりがないのでこの辺で。

【番外】

ここでは自分が現場に行かず、在宅で楽しんでいたものを紹介する。

① 夢みるアドレセンス『夢見る少女じゃいられない』

COALTAR OF THE DEEPERSNARASAKIによるアレンジの相川七瀬のカヴァー。

80年代日本のハードコアパンクシーンにおけるメタルコア、さらに言うならばPOISON ARTSを髣髴させるアレンジが施されている。夢アドは本にも掲載されているが、この曲に関しては言及がなく、どうしてもという感じで選んだ。夢アドはイメージ的に「楽曲派」といった概念に含まれることがないグループだが、色々冒険をしていたグループであるし、その中でもこれはすごいものだ。運営がちゃんとわかっててやってる感がある。

② 需要と供給の世界『需要と供給』

一度もライブを見たことがないグループ。陰鬱な気分になりたいときには最適かもしれない。未だによく聴く。

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〈金曜連載〉
画像/『楽曲派アイドル・ガイドブック ももクロ以降のアイドルソング再考』(著:タナカハルカ、成松哲)

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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
X:@punkuboizz

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