検死の結果、死因は低体温症。すなわち凍死。事故か? 自殺か? 他殺か?
その後の調査で母親が出かけた30分ほど後、爽彩さんはオンラインゲームで知り合った友人にこんなメッセージを連続で送っている。
「ねえ」「きめた」「今日死のうと思う」「今まで怖くてさ」「何も出来なかった」「ごめんね」「既読つけてくれてありがとう」
自殺である。
ちなみに爽彩さんはこの友人に対して、こんなメッセージを以前に送っている。
「(先輩にやらされた)内容を簡単にまとめると『会うたびにものを奢らされる(奢る雰囲気になる)。最高1回3000円、合計1万円超えてる』『外で自慰行為をさせられる』『おな電をさせられ、秘部を見させるしかない雰囲気にさせられて、見せるしかなかった』『性的な写真を要求される』『精神的につらいことを言われる(今までのことをバラすぞなど)』etc……ありまして、、いじめてきた先輩に死にたいって言ったら『死にたくもないのに死ぬって言うんじゃねえよ』って言われて自殺未遂しました」
そう、いじめだ。
しかし「いじめが自殺の主たる原因」と認定されたのは爽彩さんが亡くなってから3年以上経った今年の6月30日のことである。なぜそんなに時間が掛かってしまったのか? 旭川の教育現場の闇が蠢くこの事件の詳細を見ていこう。
いじめ加害生徒を守る旭川教師
2019年4月中旬、Y中学に入学したばかりの爽彩さんは近くにある公園で2学年年上のA子と知り合った。仲良くなるうちにA子の友人B男とC男がグループに加わると、いじめが始まった。
C男は爽彩さんにLINEで以下のようなメッセージを送っている。
「裸の動画を送って」「写真でもいい」「お願いお願い」「(送らないと)ゴムなしでやるから」
爽彩さんは恐怖のあまり自身のわいせつ写真を送ってしまう。その写真を入手したA子は複数の中学生が入っていたグループLINEに画像を拡散した。