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「この恋愛漫画がとんでもない」劇画狼のTOP3

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そんな情報が山のように盛り込まれ、それでも最終的に登場人物のほぼ全員が幸福になり、序盤で爆死したカゲロウの死さえも意味があったことが明かされて7巻で完結する漫画、それが『金剛寺さんは面倒臭い』だ。未読の方には「ここで取り上げた余計な情報は、作中に登場する余計な情報のほんの一部でしかない」ということを補足しておく。

2作目は『蛮勇引力』。これは恋愛漫画の対極にあるような作品だが、日本漫画史上最も美しい口説き文句を使う男、丸橋忠弥が登場する。丸橋は最終決戦前夜に愛する女性・銀狐を抱く決意をした後にすぐ花束を持って銀狐に「一発やらせろ」と叫び、それを成功させる。暴力的な速度ですべての過程をすっ飛ばして伝える愛。

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粗野で、乱暴で、令和の世にこれを使うことは難しいかもしれないが、そもそもこの作品が発表された2001〜2002年でもこんな方法は通用しないから何の問題もない。『蛮勇引力』が時代にマッチしていたことは一度もないが、『蛮勇引力』がかっこよくなかった瞬間も一度もないからだ。

3作目、『バンさんと彦一』は、長尾謙一郎のギャグマンガ『おしゃれ手帖』に登場した名物キャラのスピンオフ。思わせぶりなだけで言葉足らずなバンさんの一挙手一投足に困惑する彦一。せつなさ、やるせなさ、気持ちを言葉にして伝えることの難しさの結晶体のような作品だ。『絶愛|1989|』と『少女菜美』も読んでね。

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文/劇画狼
画像/『金剛寺さんは面倒臭い』1巻(とよ田みのる/小学館)
初出/『実話超BUNKAタブー』2025年3月号

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