「あとはシンプルに２勝するということだけを考える。今日終わったことは終わったことで、明日切り替えて頑張りたいと思います」
長嶋が監督時代に言った、この言葉のパクリだろう。
「まだまだですよ。今の野球は家に帰って風呂に入るまでわからない」
「世界一」と「９連続日本一」
結果、パドレスに２連勝して地区シリーズを優勝し、メッツも倒してリーグ優勝。最後にジャッジのいるヤンキースとのワールドシリーズも制して世界一となったドジャース。ただし大谷は左肩亜脱臼の影響もあって、活躍できなかった。
一方、長嶋は日本シリーズＭＶＰを史上最多の４度獲得。大一番に強すぎる。
優勝後、大谷はドジャースの編成部長に「世界一をあと９回やってやろうぜ」と話していたというが、長嶋の巨人は「Ｖ９」ですからね。越えられるかなぁ〜。
ちなみにワールドシリーズ最終戦の瞬間最高視聴者数は2127万人だった。日本のプロ野球最高視聴率は1994年10月８日に行われたセ・リーグ最終戦で、巨人vs中日の勝ったほうが優勝という「10・8決戦」。巨人の長嶋監督自ら「国民的行事」と表現したが、まさしくその通りで視聴率は48・8％！ 瞬間最高視聴率67％！ 当時、日本の総人口は約1億2503万人だったので、単純計算にて約8400万人が視聴！ レベルが違う!!
「テレビ以上にやりがいというか、こちらの集中を高められるものはない」という長嶋。「テレビに出られるなんて、俺は野球をやっていてよかったなぁ」とも語っている。一方、自宅を勝手に取材したフジテレビを邪険に扱う大谷。自宅がバレるのがイヤなのはわかるが、宮崎キャンプから荷物を送る際に「大田区 長嶋茂雄」と書いたという逸話があるくらい自宅がバレバレでもお構いなしの長嶋のように堂々としていただきたい。泥棒なんてそう簡単に入るわけが……え？ 長嶋の自宅って泥棒に入られているの？ セコムは？ そう、長嶋といえばセコム。イチローといえばユンケルみたいなのが大谷にはまだない。ニューバランスもグラブ配布時、表に出過ぎていて鼻につく感じだったし、お〜いお茶も失敗。ちなみに長嶋も今年、被災した石川の高校にバットを寄贈している。大谷の全小学校にグローブ寄贈よりなんとなくすごい。
大谷も長嶋もとんでもなく野球好きなのは同じだが、野球以外との向きあい方が大谷は未熟というか足りないというか。歴代最高を目指すならそれも長嶋レベルに……って、無理かぁ……ロサンゼルスの豪邸に二宮金次郎の銅像を建てるのは、イヤかぁ……無理かぁ……。
文／ダテクニヒコ
初出／実話BUNKAタブー2023年9月号
