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批判が許されない映画『国宝』の気持ち悪さ

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「寺島の実父は人間国宝の尾上菊五郎、弟は尾上菊之助で、まさに歌舞伎界の名門の生まれたが、女性であるがゆえに歌舞伎の舞台には立てなかったという苦い人生の歴史がある。そのことが禍根となり、寺島は長らく歌舞伎興行主の松竹と関係が冷え切っていたが、『国宝』の出演によって雪解けした感もある。役柄として “歌舞伎を支える女”を演じることで、これまでの怒りや葛藤を見事に昇華させていたのです」(歌舞伎関係者)

 寺島は、舞台挨拶で「この役に出会ったことに意味がある」と告白。歌舞伎界と自身の因縁に一区切りをつける、重要な役割を果たす作品となったようだ。

 国民的実写映画となった『国宝』だが、不思議なことに著名人からの批判の声は皆無に等しい。

「どんな大ヒット映画でも、著名俳優や著名評論家から難癖をつけられるのが当たり前な業界なのに、今回はまったく批判がない。それどころか『国宝』を配給する国内最大手の東宝に恐れをなして『文句をつけたら東宝の仕事をもらえなくなる』というムードが漂っているのです」(配給会社プロデューサー)

 だが、唯一批判を展開し、一人気を吐いている人物がいる。

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 その人物は、ベテラン歌舞伎俳優の市川猿三郎だ。地上波ドラマや劇場公開映画にはほとんど出演したことがない俳優だが、歌舞伎の世界では名脇役として名が通っている。

〈歌舞伎の世界を扱った映画ですが、 私が現実に暮らす歌舞伎の世界ではなく、映画の中の全く別の世界軸の歌舞伎の世界のように思えました。歌舞伎は虚飾と誇張の世界ですが華やかな嘘ですので映画の中で描かれていた嘘は、現実の歌舞伎界と比べますと、 まさにあり得ない嘘でしたね〉

 こうして始まるブログでは、何が記されていたのか。

「作品への強い違和感を忖度なしで言語化しているのです。彼はこの作品を『フィクションだと分かって観た』と前置きしながらも、歌舞伎の世界に身を置く者として到底受け入れがたい描写がいくつもあったと憤慨しています」(別の歌舞伎関係者)

 猿三郎が最も問題視したのは、女形が背中に刺青を入れるという設定だ。

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