「もともとSnowManは、タッキーが育てたグループ。にもかかわらず、タッキーが新事務所を設立した際、事務所に残るという選択をしたSnowManに一目置いていました。現在、彼らはスタート社で一番の稼ぎ頭に育っている。(ジュリー氏は)同書の中でメンバーのラウールと目黒蓮をかなり高く評価しています」(同前)
同書の中で興味深いのは、ジュリー氏と叔父のジャニー氏の知られざる関係である。さらに言えば、性加害騒動後の会見時、「ジュリー氏はジャニー氏の異常行動を本当に知らなかったのか」という点だ。
当時、最初に公開されたジュリー氏の謝罪動画には、以下のくだりがある。
「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」
現在に至るまで、このフレーズは広く拡散され、大バッシングを浴びた。本書では「なぜ知らなかったのか」と問われたジュリー氏はこう返している。
「文春裁判の結果を受けたあとも、深く知ろうとしなかったからです。それが私の最大の過ちです」
「それでも、私は自分から知ろうとしなかったので。私の生きる術だったんです。深追いして傷つくことを恐れて、知らない方がいいと思ってしまう。はぁ……。それは今回の件に限らず、私は万事そうなんです」
今回の出版の大前提として、ジュリー氏と早見氏との間で「絶対に嘘はつかない」との約束事があったというが、果たしてジュリー氏は、嘘をついているのか。検証が成されていない以上、これらのジュリー氏の発言の真偽は定かではない。
「だが、臭いものに蓋をするというジュリー氏の言動は経営者に携わる者としては失格。その素質がないことを自ら暴露することになった」(ジャニーズを知る芸能関係者)
縷縷述べた通り、ベストセラーの仲間入りを果たした同書は、その評価が二分される事態となっている。だが、徹底的な取材をもとに「ジュリー氏のウソ」という検証本があっても良いのではないか。
文/大山糺
初出/実話BUNKAタブー2025年10月号