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梶原麻衣子が語る〝ネトウヨ〟&〝サヨク〟の問題点と両者の対話の可能性

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梶原 レイシストしか手を伸ばしてくれなかったら、その手をつかむしかないですよね。むしろ「レイシストだ」って言ってるリベラルな人が現地に入って、生活上の困りごととかをどうにかしてくれればいいと思ってますし、実際やっている人もいるのでしょうが。私も難民政策に詳しい橋本直子先生に話を聞きに行きましたけど、左の人だけで話してても、右の人に届かないんですよ。外国人に日本語を教えることを同化政策と言う人もいるけど、彼らは言葉が通じないと働けないから犯罪に走ってしまうかもしれないし、日本に馴染むことはしなきゃいけないと思う。しかもそれは右の人よりも左の人に言ってもらったほうが良いので、話をわかってくれる左の人を探す必要があります。

――梶原さんは思想が違う人との対話を重んじていますけど、右翼と左翼の通訳みたいですね。

韓国は日本と同じ側の国なのに

――ゼロ年代中盤くらいまでの『マンガ嫌韓流』ブームにはどういう印象を持たれていましたか?

梶原 『マンガ嫌韓流』は全く好きではないですけど、雑誌で韓国批判をかなりやったことに対する反省はあります。そういうものを取り上げる編集の立場としては歴史認識の問題や領土問題について、韓国と丁々発止話し合いたいだけであって、韓国人を差別する気持ちはないんですよ。でもそうは思わない人もいるし、キャッチーさを目指した結果、記事のタイトルが「韓国は嘘つき」みたいになっちゃったり。それで読者が「韓国人=嘘つき」ってなっちゃったのはやっぱりおかしいと思うんです。相手のことを嘘つきって言っちゃったらもう議論できないじゃないですか。

――本当にその通りですね。

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梶原 韓国の中でも激しい左右の対立があるから、どうしても日本に強く出なきゃいけないっていう事象を理解したうえで、じゃあ日本としてはこういうことを言い返すけれど、それは日本として言い返してることであって、別に民族的な否定をしたいわけじゃないですよっていうことが分かってない人もいたんだなって。

――それを実感した出来事ってあるんですか?

梶原 私が一番びっくりしたのは2013年のことで、南スーダンに派遣されていた韓国軍の銃弾が足りなくなって、治安維持行動ができないから銃弾を貸してくれって日本に言ってきたことがあるんですよ。それは貸さなきゃ死んじゃうわけだから、当然貸さなきゃいけないんですけど、編集部に「貸しても感謝なんかされないんだから貸すべきではないと思うんですけど、どう思いますか?」って電話してきた人がいて、「え、国連のオペレーションでは韓国とは同じ側にいるし、安全保障上もそうであるべきで、だからこそ韓国の反日に対しては反論すべきだと思ってたのに、日本の側に韓国人そのものを嫌いになってる人が出てきたのか」ってことが決定的にわかってすごいショックでした。

――それは右翼雑誌編集者としては少し責任を感じてしまいますね。

梶原 その後、韓国側でも日本から借りたって言うと国内で揉めるから国際機関を挟んだことにしようみたいな話をしていて、それはそれでまずいんですけど……。でもお互いに嫌ってる場合じゃなくて、少なくとも韓国ってどっちかって言うと日本と同じ側の国なんですよね。中国、北朝鮮、ロシアと対峙して、こっちは日本と韓国とアメリカで連携してやらないと勝てないんだから、嫌ってる場合じゃないんです。だから私はそのために議論してると思ってたのに、日本にも好き嫌いのほうに流れていっちゃう人もいてすごいショックでした。月刊『Hanada』にもそれを煽る連載があって、私は途中で読むのが嫌になりましたが。

――嫌韓本は売れてたから複雑ですね……。

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