その背景には、かつてのプライドの高さを捨てた激しい自己アピールがあったという。
「片山氏は当時の菅義偉官房長官などを日参し、『私が大臣になったら働いて、働いて、働いて』と猟官運動に精を出していました。それほど彼女は大臣ポストに憧れていた。逆に言えば、『これほど優秀な私が、なぜ大臣になれないのか』と心底理解できなかったのでしょう。そういう意味では何一つ変わっていない」(永田町関係者)
また、菅内閣発足後は、菅氏をストーカーのように追いかけ回し、県連の非公認の会議に押しかけ、関係者に入室をストップされたこともあった。だが、そこで諦めない片山氏は他の支持者と共に出待ちし、菅氏が登場するや否や、その列に居並んで時の宰相とグータッチを交わしたという逸話がある。
「口利き疑惑」で退任へ
涙ぐましい努力の末に初入閣を果たした片山氏だが、そこには茨の道が待っていた。「政治と金」の問題が噴出するのである。その代表格は、2018年10月に放たれた「文春砲」である。前出の政治部記者が解説する。
「『週刊文春』の報道によって、片山さんの国税当局への口利き疑惑が発覚したのです。問題の出来事が起こったのは3年前の15年当時。長野市の金属加工会社に税務調査が入った。青色申告の承認が取り消されそうになり、同社社長のX氏が片山事務所に助けを求めたことが発端でした。そして、税理士でもある南村博二という私設秘書を紹介された」
X氏は南村氏に言われるまま、事態収拾の「着手金」として100万円を支払ったが、それ以降、連絡は途絶える。
「X氏は振り込みから2カ月後、片山事務所を直接訪ねたといいます。片山氏は最初、『南村から何も聞いてない』と話していましたが、最終的にはX氏の目の前で管轄する関東信越国税局の局長に口利き電話をかけたというのです」(同前)
