容易く電話一本で事態を収めようとするあたり、さすが元主計官である。だが、そうは問屋が卸さない。結局、青色申告は取り消される結果に終わり、100万円は〝捨て銭〟に終わったのだった。その後、紆余曲折を経て、片山氏に不信感を抱いたX氏は文春の取材に応じ、全てを暴露したのだ。それに対し、片山氏は口利き疑惑を全否定し、文春を名誉毀損で提訴したのだった。
だが、その後も別の口利き疑惑が『週刊新潮』で報じられるなど、逆風が吹き荒れた。そのため、大臣就任期間は約1年という短命に終わった。その後、苦節7年を経て、今回、財務大臣というポストを手に入れたのだ。
こうして上がりポストを手に入れた片山だが、プライベートは謎に包まれている。一度目の結婚は、財務官僚時代の27歳。相手は前東京都知事の舛添要一だった。片山氏は自身のホームページで舛添氏に一太刀浴びせつつ、現在の夫を手放しで褒めている。
〈仕事との両立が条件の見合い結婚でしたが、実際は私の仕事をまったく理解してもらえず、価値観が合わないまますぐ離婚。今の主人とは31歳で結婚。主人はいくつかの企業の社長を経験し、今は投資家的な仕事をしていて、比較的時間が自由になるので、私が『今、世の中でこういうことが問題でね』と言うと、何でも的を得た助言をしてくれますし、人脈も広いので人も紹介してくれる。共通の話題も多く、本当に頼れるパートナーです〉
夫は、マルマン元社長で投資家の片山龍太郎氏。その片山氏は周囲に「あんなじゃじゃ馬を飼い慣らせるのは俺しかいない」と語っているという。 今後、「前頭筆頭」ならぬ〝じゃじゃ馬〟片山氏は、財務大臣としてどのような手腕を発揮するのか。目下、その真価が問われようとしている。
取材・文/遠藤正
初出/実話BUNKA超タブー2026年1月号
写真/Wikipediaより
