凶悪ナンバープレートその2「足立」
前述した地域情報サイトである『Jタウンネット』は「ヤンキーが多そうな東京の『区』といえば?」というアンケートも行っており(2016年。1835人対象)、約6割以上の票を集めてダントツの1位となったのは足立区。
ただし土浦市と違うのは犯罪認知件数ランキングが23区中11位(2018年)と普通……まあ、新宿歌舞伎町とか渋谷、池袋みたいな大きな繁華街がないからでしょうね。えぇ。
そんな中でも自転車の窃盗だけ異常に多いのが足立区。犯罪認知件数の約4割が自転車の窃盗って、どうかしている。自転車だと盗まれるから自動車を……というわけにもいかない。
何せ、東京23区平均年収ランキングの最下位が足立区で、平均所得は340万7130円。車を買っている場合じゃない。しかも、電車やバスの交通網は張り巡らされていて、車を持つ必要はない。そんな状況でも車を持とうとするのは、「車=ステータス」というDQNくらいだと考えれば、足立ナンバーの評判が悪くなるのも必然である。
ちなみにタワマン乱立の豊洲は江東区でナンバーは足立だったのだが「足立はいやぁぁぁぁ!」という声がものすごく多かったのだろう。2020年5月11日より、「江東ナンバー」が独立を果たしている。おめでとうございます(棒)。そこで謎なのは、なぜか同時に「葛飾ナンバー」も独立していること……いやいや、東京23区平均年収ランキングで足立区に次いでワースト2位なのは葛飾区だということを忘れるな!!
悪いヤツらは隠語で呼ばれるのが世の常。足立ナンバーは足立→足→イカの足→ゲソから“ゲソナンバー”と呼ばれている(ちなみに1964年までは「足」の一文字だったのでそのまんまゲソナンバーだった)。
凶悪ナンバープレートその3「尾張小牧」
一方、愛知で“オコマ”と呼ばれているのが尾張小牧ナンバーである。
2003年から2018年まで16年連続で交通事故死者数ワースト1位だった愛知県の中でも名古屋市内での運転マナーは最悪で、「名古屋走り」と言われてきた。速度超過や車線またぎ、ウインカーを出さずに車線変更といった違反が多発する中で特に有名なのは「信号残り」というもの。信号の切り替わり前後で交差点へ進入するテクニックのことだ(テクニック?)。「黄色まだまだ、赤勝負」が基本となっている。
そんなクソみたいな「名古屋走り」をしているのは名古屋ナンバーではなく、尾張小牧“オコマ”ナンバーがほとんどだという話。
2020年の5月11日に「伊勢志摩」ナンバーが誕生するまで全国唯一の4文字表示だった尾張小牧。元々、愛知県は「愛」ナンバーだけだったが1965年に「名古屋」と「三河」に分割し、さらに自動車登録台数が増えたことで1979年に名古屋から「小牧」が独立するはずだった。なぜなら小牧市に自動車検査登録事務所が新設されたから。ところが小牧より規模が大きい一宮市(当時、ヤンキー居住率愛知県ナンバー1)などが反対して旧国名の「尾張」ナンバーを主張。なんと3年に渡って争った結果、愛知県知事が「じゃあ、両方入れて尾張小牧にするからもう勘弁して」と誕生したのが尾張小牧である。
この成り立ちからして、面倒くせぇ民のナンバー。
凶悪ナンバープレートその4「姫路」
菱形の代紋で有名な日本一巨大な暴力団本拠地ということで治安が悪いというイメージがあるが、実際の犯罪率はそれほど高くない。
ただ、漁師町があるので気性の荒い人が多く、かつては暴走族も多かった。それも2004年の道交法改正まで。取り締まりが厳しくなり、バイクや車で暴走行為ができなくなった彼らはどうしたかというと、特攻服などの派手な服を着て街へ繰り出し「バーリバリ」とバイクの音らしき叫び声を上げながら練り歩いたという。「徒歩暴走族」だ。
うん、どうかしてる。
そんなイカれたヤツらが「姫路」のナンバーを背負って走っているわけだから、そりゃあ運転マナーが悪くて当然だろう。
その昔、神戸新聞社が姫路を中心とした播磨地方の運転マナーの悪さを読者に募ったところ、多数の投稿があったため、自戒の意味を込めて「播磨交通法」なるものにしてまとめて紙面に掲載したことがある。それには「交差点は先に入った車が優先。右折時、対向車が直進してきても待つ必要なし」「右左折時に横断歩道を人が歩いていても、通れるスペースがあればすり抜けるべし」「車線変更時、狭い間隔でもスペースがあれば割り込み可」「ウインカーは曲がると同時に出す」「前に人がいればクラクションで道を空けさせる」などと書かれている。
わかりやすく、酷い。