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ミソジニー・オブ・ザ・イヤーは性犯罪を矮小化する

社会
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ミソジニーと性犯罪がごっちゃに

ツッコミどころは多々ありますが、まず「ミソジニー」という言葉の意味を改めて確認すると、「女性や女性らしさに対する嫌悪や蔑視」のことです。その意味からすると、これは「ミソジニーなのか」という人もいて、なんだかよくわからないノミネートになっているのです。これに関しては、著名なフェミニストである、北村紗衣氏ですら、

この投票いろいろ問題あると思う。ミソジニーと性差別(岸田首相が女性をひとりも任命しなかったのは女性嫌悪に基づくものというより制度的な性差別に無自覚だからでしょう)がごっちゃだし、定義上はいずれとも言えないようなものもいくつかまざってるし…

と言及。

そもそも女性に対しての問題だとされる発言をした人をノミネートする一方、女性に対する性犯罪を行ったガチ犯罪者も同時にノミネートさせているのはいかがなものでしょうか。女性への性犯罪を「ミソジニー」という言葉でくくってしまうのは性犯罪の矮小化と思えてしまいます。一応、FAQ欄にて、

Q5.調査の通称は「ミソジニーオブザイヤー」とのことですが、対象となった言動の中にはミソジニーのカテゴリーには当てはまらないような事例もあると思うのですが?
A.言葉の定義に関しては私どもに非常に悩んだ点です。本来であれば、女性差別やミソジニー等を含む包括的な言葉が存在すればよいのですが、残念ながら現状では存在しません。その一方で、正式名称だけを掲げて調査を行っても、キャッチーな言葉が拡散される傾向にあるインターネット上では十分な量の回答が集まりません。そのようなことから、恐竜ではない翼竜や首長竜が載っていても恐竜図鑑と称するように、代表的なものとして致し方なくミソジニーの名前に使うことにいたしました。

という言い訳めいた文章もありますが、被害者が存在する性犯罪と「ミソジニーな言動」を同列に扱うことは、性犯罪を矮小化している面が否めません。性犯罪の被害者の人たちがそれを望むとはとても思えませんが……。

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全く意味がわからないノミネート理由も

全く意味がわからないのが、元木昌彦さん(フライデー、週刊現代元編集長)のノミネートです。ノミネート理由は下記。

羽生結弦の離婚について、『羽生には結婚生活を営む覚悟も、彼女への深い愛情もなかったとしか思えない。一言でいえば男らしくない。まあ、羽生に男らしさを求めるのは酷かもしれないが。夫には妻を守ってやるという気概も愛情もなかった』と批判する記事を日刊ゲンダイに掲載した。

……意味不明じゃないですか?

羽生結弦さんに対するこの見解が的を射ているかどうかはさておき、女性嫌悪、女性蔑視の要素はどこにもないのでは? 夫が妻を守るという役割を当たり前のものとしているのがダメとかそういうことなんですかね? にしても、わざわざノミネートする理由が全くわかりません。この発言がミソジニーなら、男女問わず著名人のほとんどをミソジニー認定できてしまいそうです。

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